年別アーカイブ:2017年

佐賀県庁管理職研修

2017年11月1日   岡本全勝

今日は、佐賀県庁管理職研修に呼ばれて、話に行ってきました。
依頼の内容は、「残業を減らすために、どのようにすれば効率的に仕事ができるかを、話して欲しい」でした。このように、テーマを絞ってもらい、参加者が限定されていると、話しやすいです。
ちょうど、「明るい公務員講座・中級編」で、その部分を書き終えてばかりなので。今日は、大きく脱線することはなく(少しは笑ってもらうために、サービスしましたが)、焦点を絞ってお話しすることができました。
管理職が約180人集まって、熱心に聞いてくださいました。皆さん、現場で苦労しておられるのでしょうね。

私の話の内容は、「今や、課長は大変な時代になっている。これまでの流儀が通用しない」「部下よりも仕事をして、責任も取らなければならない」ことをお話ししたので、参加者は面白くなかったかもしれません。
でも、「どうしたら、楽をして効率を上げることができるか」のコツをお教えしました。私は、財政課長や総務部長だけでなく、総理秘書官や大震災被災者支援本部事務局といった、とてつもなく忙しいそして難しい仕事を経験しました。その際に考え、身につけた「ワザやコツ」です。自信があります。

仕事のワザやコツは、学者が研究して発見するような真理ではありません(それもできるでしょうが)。若手職員が仕事で困っているのを見て、ベテラン職員が「なぜそんな簡単なことを悩んでいるの?」と思うように、経験者なら身につけていることです。
課長職のコツも、課長の経験者なら多くの人が身につけています。そして、様々な職場や事件を経験すると、身につけるワザも広がります。例えば、難しい交渉から始まり、仕事のできない部下の指導、部下がやってしまった失敗、おわび、処分・・・。ない方がよいのですが、経験すると、次回からはうまくできます。そのようにして身につけたワザ、それを言葉にして後輩に伝えることが難しいのです。

残虐なネット画像の削除作業

2017年10月31日   岡本全勝

古い話ですみません。10月9日の朝日新聞に、「ポルノや殺人、画像見て判別 増えるネット投稿、適否監視といたちごっこ」という記事が載っていました。
・・・世界中からネット上に投稿される残忍な動画やポルノ写真などを、一つずつ手作業で取り除く下請けの仕事が世界で広がっている。市民の目に触れないようにするためだが、投稿量は増える一方で、残忍な画像を大量に見るうちに病気になる例も出ている・・・
・・・今年に入り、FB上で殺人など犯罪の様子を動画で投稿する事例が相次いだ。FBは自社のガイドラインをもとに、4500人態勢でチェックする体制をとっていたが、コンテンツモデレーターを約3千人増員すると発表した・・・

詳しくは記事を読んでいただくとして。このような作業がなされているとは、知りませんでした。
「広告収入で支えられているソーシャルメディアなどにとって、暴力映像やポルノがあふれれば、ブランドイメージにかかわる」ので、ソーシャルメディア会社などが、削除をしているのです。
「裸の赤ちゃんの写真でも家族がお風呂に入れているなら児童ポルノとは言えない。魚釣りや狩猟の写真なら動物虐待とは言えない。文脈の中で写真を判断する必要があります」。なるほど、まだ人工知能(AI)では、判断できないのですね。

・・・メディアによると、世界で20億人が使うフェイスブック(FB)に投稿される写真は1日約3億5千万件。動画は毎日約5億人が見ている・・・
気の遠くなるような数字です。

2017衆院選、問われたもの

2017年10月31日   岡本全勝

10月25日の朝日新聞オピニオン欄「2017衆院選 勝ったのは何か」、濱野智史さんの発言「昭和の利益誘導 なお強固」から。
・・・日本はもともと、外圧でもないと変化の起きにくい島でした。黒船が来たから仕方なく近代化し、形だけ民主主義をやり始めたけれど、革命のあったフランスや南北戦争のあった米国のように、過酷な歴史を経て有権者に根づいた意識もない。だから日本の政治は、「民主主義ごっこ」のような一種の借り物でした。
戦後、その「民主主義ごっこ」を日本流の利益分配システムに仕立て上げたのが、自民党であり角栄でした。その結果、組織票か、地元でずっと応援しているから、という利害と惰性中心で、政策は二の次という支持基盤が強固になりました。都市型無党派層の私から見ると、今回の結果は既得権益に頼る地方の人々が作り上げた分配システムの勝利にしか見えないのです・・・

連載執筆終了

2017年10月30日   岡本全勝

週末に、連載「明るい公務員講座・中級編」第42回を書き上げました。中級編の最終回で、「課長であることと課長をすること」という内容です。先週、右筆に原稿に手を入れてもらい(ズタズタにされ)、それを参考に加筆しました。
このあと、編集長に見てもらい、校閲さんに手を入れてもらいます。活字になるのは、11月20日号の予定です。

中級編は昨年10月3日号から始めたので、1年以上になります。初級編は、2015年11月9日号から始まっているので、そこを起点にすると2年です。よく書いたものです。
元になる小冊子(1996年、富山県)があったので、粗々の内容はありました。それを基に、「半年くらいは続くかな」と思っていたのですが。書いているうちに、「あれも書こう」「これも書いておこう」と連想ゲームのように、広がりました。40歳の県庁総務部長に比べ、その後にいろいろ経験した60歳の事務次官は、得た知識が増えたということでしょう。
大まかな構成は考えて着手したのですが、細部は走りながら考えました。連載とは、そんなものです。しかし、毎週締めきりに追われないと、これだけの量、そして内容は書けません。

これで来週の締めきりが来ないと思うと、ほっとしています。毎週の締めきりは、肉体的にも精神的にも重たいです。
書きかけの原稿を鞄に入れ、新幹線の中や隙間の時間に、少しずつ書きます。まとまった時間は、土曜日曜しか確保できないので、そこで文章に整えます。「締めきりに追われる人生だ」と自嘲しています。これで余裕ができるとともに、さみしくなりますかね。

企業の不祥事、第三者委員会

2017年10月30日   岡本全勝

日経新聞10月25日のオピニオン欄、中山淳史記者の「不正の芽摘む「失敗の科学」」でした。
かつては大事故があった飛行機ですが、世界の民間旅客機による死亡事故発生率は、830万フライトに1回まで低下しています。失敗に学んだ結果です。「失敗をさせない」ではなく、「失敗を事故に結びつけない」との発想だそうです。この記事ではそれに引き続き、企業の不祥事について書いています。

・・・東京都内にある公認会計士事務所が運営するウェブサイト「第三者委員会ドットコム」によると、存続が危ぶまれるような不祥事が起きた日本企業が有識者を入れて設置する「第三者委員会」や「特別調査委員会」の数は2015年以降、年間50件前後に増えている。それまでの2倍以上だ。
確率論的には株式上場企業(3572社)の重大不祥事発生率は毎年1%を超す。ガバナンス(企業統治)改革が進み、不祥事に社会全般の関心が強まっているせいもあろう。今年もすでに31の委員会ができた。アルミ、鉄鋼製品などのデータ改ざんがあった神戸製鋼所も含まれている・・・

・・・一方、慶大の菊沢研宗教授は「日本の組織は合理的に失敗に向かう傾向がある」と言う。例えば、東芝は原子力事業から撤退したら「政府からしかられ、従業員の雇用も不安になる」。神戸製鋼は「納期やコストを守らないと取引先から契約を打ち切られる」などの懸念を抱いた。
「経営陣、管理職は下に向かって『何とかしろ』と命令を下すが、何ともならないとわかっている部下たちは袋小路に嵌まり、不正行為を考え始める。不正が起きても周囲は目をつぶり、何も言わないことがその組織にとっての『合理性』になっていく」(菊沢氏)という・・・

第三者委員会ドットコム」のサイトを見ると、「こんなにもあるのか」と驚くくらい事案が載っています。管理職に参考になる分析です。原文をお読みください。