商工中金事件、奇妙な論理

商工中金事件の続きです。社長が命じた特別調査の際に、コンプライアンス担当は奇妙な論理で、隠蔽してしまいます(要約版p16以下)。はしょって紹介しますので、原文をお読みください。

不正融資をするために、貸出先の数字を改ざんしました。その際に、決裁に付け判断の材料とする「顧客名義の試算表」を、担当者が自作したり改ざんしたことが、私文書偽造罪に当たるかが問題になりました。弁護士に相談して、次のような回答を得ます。
①顧客名義の試算表について、「商工中金作成(名義)資料」(=商工中金内部資料)と認識して作成していた場合、故意がないため、私文書偽造罪は成立しない。
②試算表の自作について「顧客の承諾を得ていたと思っている場合」や「顧客の承諾を得られると思っている場合」には、故意がないため、私文書偽造罪は成立しない。

簡単にいうと、「顧客の資料を改ざんしたのではない、会社の内部資料なので」という理屈のようです。これで、不正ではないと結論づけるのです。
問題は、事実に反した顧客の経営状況(数字)に基づいて融資をしたかどうかです。しかし、それを私文書偽造罪に矮小化して、それには当たらないと判断します。
う~ん、知恵者なのか・・・。