年別アーカイブ:2016年

市町村長と国民の、復興への評価

2016年3月8日   岡本全勝

3月7日の読売新聞は、被災42市町村長へのアンケート結果を載せていました。政府の対応への評価は、大いに評価できるが2人、ある程度評価できるが35人で、合わせて9割近い首長が評価してくださっています。あまり評価できないが5人です。これは、去年、一昨年とほぼ同じ傾向です。原発事故については、15市町村長のうち、ある程度評価できるが8人で、約半数です。これは、昨年より改善しています(去年の記事、2015年3月2日)。詳しくは、記事をお読みください。
3月8日の毎日新聞は、全国世論調査(1736世帯を対象にして回答は1017人、回答率59%)を載せていました。それによると、被災地に対する政府の支援や復興への取り組みについて、大いに評価するが5%、ある程度評価するが41%です。あまり評価しないが36%、まったく評価しないが9%です。評価するの合計が46%、評価しないの合計が45%で、ほぼ同数です。政府に厳しい毎日新聞(?)で、半数の方から評価してもらっています。
これらは、政府の各種政策の中でも、高い評価ではないでしょうか。もちろん、まだまだ頑張る必要はあります(参考、拙著『東日本大震災 復興が日本を変える』p81)。

5年経った、原発被災地域

2016年3月8日   岡本全勝

3月7日8日と、福島県に視察に行ってきました。原発被災地域です。しばらく行かない間に、大きく変わっています。東京の復興庁にいても、職員から報告を受けているのですが。現場に行って直に話を聞くと、よくわかります。
まず、帰還できるようになった地域と帰還が見えてきた地域では、医療や商店など、生活に必要な環境が整えられつつあります。町に入ると、生活の雰囲気が感じられます。まだ帰還できない地域では、帰還に向けての計画が作られつつあります。全面的に帰還するのは無理なので、復興のための拠点を作ろうというのが、各町の考えです。
5年前の事故直後は、「いつになったら帰ることができるのだろうか」と、まったく見通しが立ちませんでした。また、放射線量が高く、帰還困難とした区域は、帰ることができないことを前提に、「故郷喪失賠償」が払われています。すなわち、土地や建物は全額賠償し、精神賠償は11年分が支払われています。しかし、そのような地域でも、限られた地域ですが、帰還と復興に向けた検討が始まっています。各町の幹部たちの前向きな姿に、勇気づけられました。

東松島市、市長のアイデア

2016年3月8日   岡本全勝

3月7日の日経新聞地域面に、「被災地に民の力も」が載っていました。その中でも、ぜひ読んでいただきたいのが、東松島市のがれき処理です。通常年の100年分のがれきが出た市では、阿部市長の決断で、がれきを分別して回収しました。木材、土砂、畳、金属など、19種類に分けて回収したのです。金属類は資源として売り、木材やコンクリートは建設資材などとして活用しました。おかげで、処理費用は、3分の2ですみました。
被災後に視察に行った際に、市長の案内でがれきの分別置き場を見た際に、感心しました。このホームページでも、書いたことがあります。これ以外にも、住民が会合を重ねて町づくりをしていることなど(2016年2月7日の記事)、阿部市長のアイデアと決断力、行動力には、脱帽です。

「東日本大震災 復興が日本を変える」2

2016年3月6日   岡本全勝

(拙著の紹介記事)
3月6日の読売新聞4面下に、拙著『東日本大震災 復興が日本を変える』の紹介記事が載りました。「大震災対応振り返る。復興庁次官が本出版」です。「現役次官が本を出すことって、珍しいのでは?」と、言われることもあります。しかし、この5年間、前例のない仕事に携わり、責任ある仕事をしました。社会のためにも後輩たちのためにも、書いて残すことが、私の責務と考えていました。
発災直後のことは、『日本行政学会年報』(2013年)に「東日本大震災からの復興―試される政府の能力」として、報告しました。その後のことも含めて書こうとして、ここ数年、何回か原稿を書き始めたのですが、完成しませんでした。「本業が忙しい」「現場がどんどん変わっていく」というのが言い訳です。しかし、5年が過ぎ、この機会を逃すと永遠に書けないと思い、自分を追い込みました。
また、私の経験である行政の対応だけでなく、貢献してくださった企業やNPOの実績も紹介しようと考え、2人の共著者を引きずり込みました。そして、過去の実績だけでなく、哲学と未来を書こうとしました。2人に本の骨格を相談したのが、去年の2月です。ちょうど1年かかりました。一人でも多くの方に読んでいただけたら、うれしいです。(2016年3月6日)

(新聞読書欄、拙著紹介)
拙著『東日本大震災 復興が日本を変える』が、読売新聞15日夕刊「READ&LEAD」欄と毎日新聞16日朝刊「読書欄」に、小さく紹介されていました。知人が教えてくれました。ありがとうございます。(2016年3月16日)

(拙著の書評)
アマゾンに、拙著『復興が日本を変える』のカスタマーレビューが、一つ載りました。ありがとうございます。ほかの方も、よかったら、読後感を書いてください。(2016年3月30日)
(拙著の書評2)
拙著の書評の2つめが、アマゾンに載ったようです。知人が教えてくれました。この書評も好意的で、かつ、私たちの主張を良くとらえてもらっています。ありがとうございます。(2016年4月8日)
(拙著の書評3)
アマゾンに載った拙著の書評の3つめです。「復興に携わる様々な立場の方々の記録がとても分かりやすい」。このような読み方をしてもらうと、うれしいですね。(2016年4月14日)
(拙著の書評4)
アマゾンに載った拙著の書評の4つめです。
「「鳥の眼」から見た「復興」の物語。そしていずれは「虫の眼」からの眺めも」。
・・・岡本次官が筆を執った第4章のポイントは、次の2つ。
α.今後の復興のヴィジョン。「民間主体による、民生の復興」の進捗というものが最も重要なテーマ。ここまでの大規模な資金を投入してのインフラ中心の復興とは、全く違うイメージなので、これからも復興に関わる実務者には、インスピレーションとなる。
β.ここは理論的。現実に即して論を展開したこれまでの部分に比べると、抽象度が上がる。その中でも、最も重要なのは、民間非営利活動や中間集団の成熟と連関しながら、官と民の境界線が曖昧になってきたという指摘。明治国家の成立以来、国家の柱石の役割を果たしてきた高等文官の流れを汲む方から、このような指摘が出てきたことには驚く・・・
かなり専門家の方と、お見受けしました。これまた、適確に私たちの主張をとらえてもらっています。しかも詳しい長文です。ありがとうございます。(2016年4月15日)

(拙著の書評、岡本行夫さん)
雑誌『財界』5月24日号に、岡本行夫さんが、拙著「復興が日本を変える」の書評を書いてくださいました。「危機発生時の行動が未来を変える」という表題です。
・・・著者をはじめとした関係者は、前例という教科書がない時、強い責任感をたずさえ、現場から課題を見つける力、組織そのものを生みだす構想力を発揮している。現場からの報告だけに説得力は強い・・・
・・・これらの取り組みに共通するのは、日本社会の弱点である縦割り型組織にメスを入れ、垣根を越えた「同志」を一つの使命の下に結集していることだ。これは、大きな枠組みの改革による社会変化や国民の認識変化も追求した結果だ。
危機発生時には、これまでの常識や先入観が足踏みをさせる場合もある。そのような時、自らの目で現実を直視し、課題を設定して取り組む著者のような人々が何人いるかで、その後の日本社会が決まる。本著は、その意味でも希望の書であろう・・・
過分なお褒めをいただき、ありがとうございます。(2016年5月17日)

(拙著の宣伝、POP)
拙著「復興が日本を変える」の宣伝です。丸善丸の内本店(東京駅前オアゾ内ですね)の棚に出してもらった、POP広告の写真です。出版社が送ってくれました。名札のような広告が、針金の先に立っているのがわかりますか。売りの言葉は、なんて書いてあるのでしょうね。(2016年5月19日)
20160517popmaruzen

(拙著の宣伝、POP。2)
丸善丸の内本店まで、POP広告を見に行ってくれた友人が、写真を撮って送ってくれました。これなら、何が書いてあるのかわかります。ありがとう。(2016年5月23日)20160523popmaruzen1

政治の言葉の力

2016年3月6日   岡本全勝

3月6日の読売新聞別刷り「皇室ダイアリー」から。
・・・(エリザベス)女王陛下の戴冠式に出席するため、陛下が初訪英した1953年当時、現地の対日感情は厳しかったが、〈チャーチル首相はじめ、知日英国人の尽力により、あからさまに感じることはなかった〉とつづられていた。
チャーチルは、陛下を歓迎する昼食会に新聞界の代表も招いた。「殿下は非常に幸福な青年だ。過去に生きず、明るい前途がある」と演説し、新時代の到来を印象づけ、かつての敵国への悪感情をあおる論調を巧みに抑えたという・・・