年別アーカイブ:2016年

役場と企業との協働

2016年4月18日   岡本全勝

岩手県北上市が、「地域貢献活動企業表彰」を実施しています。田村太郎さんに教えてもらいました。「日経グローカル」4月18日号。市協働推進市民会議(市民団体)と協働で、市内で地域貢献活動を行っている企業を表彰するものです。
拙著『復興が日本を変える』でも強調しましたが、今後の地域づくりには、企業やNPOとの連携は不可欠です。しかし、市町村役場は、案外と地域の企業とのつながりがありません(P302~)。消防や食品衛生などの取り締まりの対象か、納税者として終わっているのではないでしょうか。しかも、役場内の縦割り行政で、域内企業との統一的な連携は進んでいないと思います。
北上市の取り組みは、良い方法ですね。地域との絆を強める工夫をしています。単に、地域に貢献したかだけでなく、「市民と企業間などの連携や協働があるか、また、ある場合はその役割分担やバランスは望ましいものか」を審査基準にしています。
北上市は、NPOとも緊密な連携をしていることで有名です。ふだんからこのような連携をしていることが、いざというときに役に立ちます。私もかつて呼ばれて、シンポジウムに出席し、市長さんの取り組みに感銘を受けました。「講演の記録21」2014年2月1日

有名銘柄と無名の商品。質とブランド

2016年4月18日   岡本全勝

滝田洋一著「世界経済大乱」(2016年、日経プレミアシリーズ新書)に載っているエピソードをもう一つ。
バレンタインのチョコレートを2枚もらったトヨタ自動車の豊田章男社長。ブランド名を伏せて、味を試してと言われました。1枚は日本製、もう1枚はベルギー製。豊田社長は日本製の方がおいしく感じます。ところが値段は10分の1だったそうです(p226)。
目隠しテストをして、有名な銘柄と無名の商品の評価が反対になることは、しばしばありますよね。そこが有名ブランドの「価値」なのでしょう。いずれ、後発の良い商品に負けるでしょう。あるいは、後発の良い商品も販売戦略を考えて、市場での価値を高める必要があります。

熊本地震被災者生活支援チーム

2016年4月17日   岡本全勝

今日は夕方から、官邸で、熊本地震被災者生活支援チームの初会合が開かれました。NHKニュース。東日本大震災の時と比べ、素早い立ち上げです。インフラなどの復旧だけでなく、被災者の生活が重要視されてきたのも、喜ばしいことです。災害復旧が、モノから人へ重心を移しています。

経済の動きを測る、構造変化への対応

2016年4月17日   岡本全勝

滝田洋一著「世界経済大乱」(2016年、日経プレミアシリーズ新書)から。
企業が投資として認識している範囲と、政府のGDP統計での投資の範囲がずれているのです(p234)。GDPでの投資は、建物や機械などの有形固定資産(約58兆円)とソフトウエアなど(約11兆円)の合計68兆円です。無形資産の多くが、こぼれ落ちています。例えば、研究開発投資(15兆円)、ブランド力や技術力など「経済的競争能力」が7兆円です。そこでも紹介されていますが、グーグルやアマゾンの価値は、コンピュータとその施設設備ではありませんよね。このほか、海外の子会社の株式取得や企業買収も、企業にすれば投資ですが、政府の統計からは落ちています。この話は、既に新聞に書かれているので、読まれた方もおられるでしょう。「設備投資とは何か 食い違う政府と企業の認識」(日経電子版、2016年1月4日)。新聞記事には、範囲のズレが図になっているので、記事本文と一緒にそれをご覧ください。
少し話はずれますが、産業の3分類も今や機能を発揮しません。習いましたよね。第1次産業=農業、林業、水産業など。第2次産業=製造業、建設業など。第3次産業=情報通信業、金融業、運輸業、販売業、対人サービス業など。わかりやすいです。
しかし、近年の産業別のGDP構成比は、第1次産業が1.2%、第2次産業が23.9%、第3次産業が74.9%です。1.2%と75%を比べても、有意な結論は出ないでしょう。もっと違った分類基準が必要です。それぞれの指標は、考案されたときは威力があるのですが、構造が変化すると、新しい物差しが必要です。

アメリカ人の意識調査、日本は謝罪したか

2016年4月16日   岡本全勝

先日紹介した、滝田洋一著「世界経済大乱」(2016年、日経プレミアシリーズ新書)から、興味深かった点を紹介します。
アメリカの有力シンクタンクのピュー・リサーチ・センターが、2015年2月に実施したアメリカ人への意識調査結果です(p176)。アジア太平洋地域の主要4か国について、信頼できるかの問です。オーストラリアが80%、次いで日本が68%、韓国は49%、中国は30%です。
興味深いのは、第2次世界大戦の謝罪についての問です。三者択一で、日本は「十分に謝罪した」が37%程度、「謝罪は不要」が24%程度、あわせて61%です。他方、「不十分」が28%程度です。ドイツにも同じ質問をしています。「十分に謝罪した」と「謝罪は不要」をあわせて、54%です。「謝罪が不十分」は、37%程度あります。
日本では、「ドイツはよく謝罪したのに、日本は不十分だ」との意見をマスコミで聞きますが、この調査に関する限り、そうではないのですね。その後「改心」して、アメリカの言うことを聞く「優等生」日本と、必ずしも言うことを聞かないドイツとの差でしょうか。