過労死の四半世紀

12月14日の朝日新聞オピニオン欄、川人博・弁護士のインタビュー「過労死の四半世紀」から。
「心の病での労災認定の統計を見ると、若い人が多いですね」との問に。
・・・相談もこの10年くらいは30代が一番多く、あとは20代、40代。50代の相談は少なくなりました。『過労死110番』が始まった80年代後半ごろは大半が40~50代の、働き盛り世代の相談でした・・・

「パソコンや携帯電話をだれもが持つ時代です。過労死問題には、どう影響していますか」との問には。
・・・特にサービス業などの第3次産業では、IT化が労働の密度を高めていて、オンとオフの区別がつきませんね。02年のクリスマスのころ、ある入社1年目の男性が自殺しました。カップラーメンをスーパーやコンビニエンスストアに卸す仕事で、裁判で労災が認められましたが、商品のことで取引先からのクレームや相談が休日にも入る。実家近くで両親と食事中にも携帯が鳴り、「すぐに来い」と言われて、何時間もかけて駆けつけた。
昔は日曜日は仕事から解放されていたけれど、24時間365日連絡が取れる体制では、どうすれば労働者がオフの時間を確保できるかを、真剣に考えないといけない。「お客様が神様」「クライアントファースト」は、従業員のワーク・ライフ・バランスの中で限定的にする必要があります・・・

記事に、年表と図が付いています。「過労死110番」が始まったのが1988年、電通で入社2年目の職員(24歳)が自殺したのが1991年です。心の病での労災請求件数は、1995年まではほとんどなく、2000年頃から急増しています。