先の見えない残業が疲弊に拍車をかける

12月11日の朝日新聞オピニオン欄「長時間労働」から。
・・・産業医として30社ほどを担当する大室正志さん(38)が長時間労働の最大の要因と指摘するのは、管理職のマネジメント能力です。「発注にノーと言わない人が昇進し、無理難題を部下に押しつける。いつ何が降ってくるか分からない状態が、部下の心身を疲弊させる」・・・
・・・心身の健康を保つために必須だと言うのは、残業時間の上限規制の導入です。「先が見える場合は多少の無理もきくが、終わりの見えない状態だと月40~60時間の残業でも心身に深刻な影響が出る。36協定(労働基準法を根拠とする労使協定)で基準とされている45時間くらいを上限とするのが妥当では」
大室さんは「仕事の内容や、やり方は急速に変わっている。上司の経験したことのない仕事をする部下も多い。上司は部下の話を聞き負担を把握することが大切。『大丈夫?』と聞かれると反射的に『大丈夫』と答えてしまうので、聞き方の工夫もいる」。部下についても「負担を上司に伝えることが必要。産業医との面談を含め、『きつい』と言うことのマイナスを心配する人も多いが、無理を続けるマイナスとどちらがマシか考えてほしい」と話します・・・

・・・長い時間働けば、その分成果があがるのでしょうか。日立製作所で人工知能の研究を率いる矢野和男さん(57)は、加速度センサーを身につけ、10年以上にわたり自身や被験者の1日の動きを記録しました。明らかになったのは、1日に動ける時間の長さや、体の部位を動かせる回数は人それぞれに決まっていて、「昨日の遅れを今日取り戻そう」と長時間働いても、こなせる仕事量は実はほとんど増えないということです・・・
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