最高裁判所の違憲判断を支えるもの

12月2日朝日新聞オピニオン欄「憲法の価値を守るもの」、見平典・京都大学准教授の発言から。日本の最高裁判所が、アメリカなどと比べて、違憲判断に消極的だったことについて。
・・・二つめが「規範的資源」です。積極的な違憲審査の根拠となるような、法理論、判例、司法の果たすべき役割に関する共通理解がどの程度存在しているか、ということです。日本では米国と比較して司法が議論の分かれる社会問題の解決にどの程度踏み込むべきかについて狭く理解されてきました。
三つめが「政治的資源」です。最高裁が違憲判決を下したときに最高裁を政治的攻撃から守る政治勢力のことです。米国では法曹集団や訴訟団体、公益団体が裁判所を支えてきました。政治指導者も、連邦と州が対立した時や立法による政策実現が困難な場合などに、しばしば積極的司法を支持してきました。しかし、日本ではこうした基盤が欠けていました。
近年、婚外子の相続分規定や投票価値の格差に関する判決にみられるように、最高裁は従来より積極的に違憲審査に取り組んでいます。司法制度改革で立法・行政に対する司法のチェック機能の強化に政治的正統性が付与されたことや、裁判官・調査官の世代交代と努力が背景にあるとみられます・・・
原文をお読みください。

この記事は、12月11日に書いています。新しいホームページ作成ソフトには、「公開予約機能」がついているので、12日17時半過ぎに公開するように設定しました。「土日の投稿が多いですね」との、読者の意見があります。時間があるときに書くので、どうしても休日の執筆が多くなります。そこで日曜に書いて、公開日をずらしました。うまく行くかな?