新聞への信頼の低下、アメリカ大統領選挙

11月15日の朝日新聞国際欄「旧来メディア 問われる役割」の続きです。今回は新聞についてです。
・・・全米の新聞は、圧倒的に「反トランプ」だった。だが既存政治に不満を抱える有権者には響かなかった。
米国では新聞社が社説で候補を推薦する伝統がある。カリフォルニア大学サンタバーバラ校のまとめによると、全米で部数が最も多い100紙のうち、57がクリントン氏を推したのに対し、トランプ氏は2紙だけ。リバタリアン党のジョンソン氏を推薦した4紙よりも少なかった・・・
・・・経営不振が続く米メディアの構造的な問題もある。
メディア研究などを手がける、ハーバード大学のショレスタイン・センターのニッコ・ミリ所長は10日にウエッブサイトで、米メディアの記者のうち5人に1人がニューヨーク、ワシントン、ロサンゼルスの3都市に勤務していると指摘した。対照的に、50州中21州では連邦議会を専門に担当している記者を置く新聞が1紙もないという。
記者が暮らしの現場から離れる一方、数多くの州では政府で何が行われているのか、市民が知る方法がなくなっているとの分析だ。
大手メディアの本社は大都市部に集中する。トランプ支持者の「エリート」「エスタブリッシュメント(既得権層)」批判は、メディアにも重ねられた。
ギャラップ社の今年の調査によると、「メディアを信用する」と答えた人は過去最低の水準で、特に共和党支持者では14%に急落した・・・
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