連載「明るい公務員講座」の第15回が発行されました。今回は、仕事の仕方の続きで「変えてみよう」です。
役所には、不思議な魔法の言葉があります。「前例通り」です。この呪文を唱えると、何も考えずに仕事が片付きます。それでは困るのですが。「地域独占企業」で競争相手がいないこと、業績が売上高では見えないこと、法令に従わなければならない仕事も多いことから、この呪文が通じる場合があるのです。今回の内容は、次の通りです。
「おかしい」と思う目、評論家になるな、逃げてはいけない、改善で力量を発揮しよう、引き継ぎ書の重要性、引き継ぎ方で組織を向上させる、執務要領。
今回も、4ページを超える大作です。
月別アーカイブ: 2016年3月
福島での協議会
今日は、福島市で、「国と地方の協議会」に出席してきました。原発事故からの復興について、現状と課題について報告と意見交換するためです。今回で12回目になります。国からは、関係3大臣が出席しました。大臣が定期的に現地に赴き、意見交換する会合って、珍しいと思います。しかし、事故を起こした責任、復興についての責任を果たすためには、これが当然でしょう。
原発避難地域では、一部の地域で帰還が始まっていますが、これからのところや、まだ見通しが立たない地域もあります。現在進めている作業を行うとともに、これらの課題を確認し、次の作業に入ります。(2016年3月27日)
当日の資料を、復興庁のホームページに載せました。復興の現状、廃炉と汚染水対策の現状、除染の状況などが、簡潔に整理されています。
原発も家族の形も「裁判所が全部決めている」
日経新聞3月20日「風見鶏」は、坂本英二さんの「縮む政治と膨らむ司法」でした。
・・・日本は先進民主主義国家に違いないが、最近は三権のバランスはこれで良いのかと疑問に思う機会が増えた。この数カ月だけでも政府首脳や与野党議員が固唾をのんで司法判断を見守るケースが相次いだ・・・
・・・昨年12月16日、最高裁は2つの判断を示した。
女性に離婚後6カ月間の再婚禁止期間を設けた民法733条のうち、100日を超える部分は「違憲」。
夫婦は同じ姓を名乗るとする民法750条は「合憲」。選択的別姓制度に合理性がないと断ずるものではないと付言した・・・
・・・日本は法治国家だから判決結果に従うのは当然だ。しかし本来は有権者に選ばれた国会議員がもっと処方箋を示し、利害を調整していくべきではないか。
最高裁は「高度に政治的な事案は明白に違憲でない限り、内閣や国会の判断に従うべきだ」との統治行為論の考え方をとってきた。政治が役割を十分に果たさないため、司法の出番が増えているように感じる。
家族の形、衆参選挙での「1票の格差」是正、憲法への自衛隊の明記などは、長い時間があったにもかかわらず見直しが先送りされ続けてきた。今のままでは「国論を二分した状況を放置するより最高裁に決めてもらった方がいい」との声が出かねない・・・
原文をお読みください。
官庁と民間企業の違い
3月28日の朝日新聞「証言そのとき」は、生田正治・日本郵政公社初代総裁の「郵政、官業脱却に全力」でした。商船三井の社長が、なぜ民営化の責任者を務めたか。それは本文を読んでいただくとして。官庁と民間企業の管理職の違いについて、次のようなことをおっしゃっています。
・・・官庁スタイルで、まるで国会答弁のようでしたね。ですから、2カ月ほど様子をみて言ったんです。「来月から部下の『お付き』はやめよう」と。「えっ」という顔でみんな驚くから、「自分で勉強して把握してくるんだ」と伝えました。
2003年の初夏の、郵政公社の会議室。経営委員会の出席者二十数人の後ろには、分厚い書類を携えて発言を助ける担当者たちの姿があった。
のちに総裁を辞めるとき、何人かに「あれがいちばん参った。委員会の前々日ぐらいから緊張して勉強しましたよ」と言われてね。それがいい。自分で自分の部門のことがわからないと、深い議論はできません・・・
資料は1画面
日経新聞私の履歴書3月25日、大山健太郎・アイリスオーヤマ社長の「数分のプレゼンで即決。会議重ねず、私が全責任負う」から。
・・・パワーポイントを延々見せる普通のプレゼンとはまったく違う。1件5分から10分。資料は1画面。「要点から話せ」とよく叱る。前日の日曜日までの販売データは必須だ。話の途中でも合格、不合格をどしどし判断する。社員は自然にプレゼンが上手になる・・
・・・却下や再考を命じる時は、理由を明確に言う。生活のストーリーを感じられない企画、今の消費の流れを追っただけのアイデア、自分のこだわりを優先する開発者には、こう反問する。「おまえの奥さん、ホントにそれ買うか?」・・・