公営住宅での孤立防止、自治体職員への期待

日経グローカル」3月21日号に、本多史朗・トヨタ財団チーフ・プログラム・オフィサーが「復興住宅のコミュニティー。孤立化防止、これから正念場」を書いておられます。
仮設住宅より、鉄筋コンクリートの公営住宅の方が孤立しやすいことは、関係者の間で認識されています。ではどうしたらよいか。本多さんは、現地を歩いて、住民の目線から課題と解決策を指摘しています。集会所を作っただけではダメなこと。高台や坂が、高齢者にとっては引きこもりの要因になること。残念ながら、適地が少なく、そのようなところにも住宅を造ったのです。自治体職員がいわゆるお役所仕事に引きこもっている限りは、自治会作りやコミュニティ再建はできないことも、実例を挙げ、住民の批判を交えて指摘しています。
本多さんの提言は、「歩く自治体職員」が重要だということです。机に向かってじっと座っている、前例と規則に従って仕事をするようでは、この問題は解決しません。課題は住宅で発生していて、引きこもりの高齢者は役所には来ません。そして、これまでにない仕事であり、関係法令はありません。熱心なNPOの職員に負けていてはいられません。関係者の方には、必読です。