被災地では、生産の施設設備を復旧しても、売り上げが回復しないことがあります。東北の良い産物をどのようにして、消費者に買ってもらうかが、課題です。
日本百貨店協会が、百貨店バイヤーが選んだ、東北の産品を紹介するカタログを作成してくれました。百貨店の信用力は大きいです。その買い付け人・目利きが選んでくれた産品です。9月27日土曜日には、仙台でイベントを開催し、竹下大臣も出席します。パンフレットも、その時点で公開します。お待ちください。
この試みは、復興庁の「新しい東北」先導モデル事業の一つです。実績と信用力のある企業や団体と、被災地で悩んでいる企業を結びつけること。これが、新しい産業支援の手法です(9月21日の記事)。
百貨店協会は、このほかにも、さまざまな復興支援をしてくださっています。ありがとうございます。
年別アーカイブ:2014年
異業種交流、勉強会
今日午後は、ある経済団体の幹部さんたちと、復興についての勉強会。ありがたいことです。社会のオピニオンリーダーたちに、復興の現状と課題を説明できる機会をもらえるのですから。この方々の時間当たり費用を考えると、短時間で内容のある説明をしなければなりません。質疑応答も、「真剣勝負」になります。週末の休日に、資料を整えた甲斐がありました。
放課後は、NPOの人たちと意見交換会。といっても、出席者が若く、私が経験を一方的にしゃべっていたようです(反省)。
異業種交流・意見交換会は、勉強になり、効果があります。
けんかの仕方と付き合い方
個人でも組織でも国家でも、いさかいは避けられません。競合や交渉、さらには喧嘩が起きます。喧嘩が昂じると、無視、悪口、そして戦いにまで発展します。
しかしその場合に、指揮官たる者は、収め方を考えておく必要があります。相手にどんな譲歩を求めるのか、戦いまで持ち込む覚悟があるのか。
しばしば、組織内や国内向けに、威勢のよいことを言いたがる人がいます。戦前の日本にもいました。マスコミも軍部もそうでした。でも、戦争に負けたときに、その人たちは責任をとりませんでした。本当に強くまた大人なら、相手を一方的に貶めるような発言はしません。よく言われますが、日露戦争の時は、最初から収め方を考えていました。
主戦論は、見かけは威勢がよいです。そして、国内基盤が弱い場合に、威勢が良い人が出てきます。しかし、国内向けと国外向けを、間違ってはいけません。威勢の良い主戦論はしばしば感情論であり、合理的な裏付けがありません。応援団やサポーターもそうです。戦っている本人たちは、感情や空理空論では勝てないのがわかっているので、理性的に考えます。しかし、どの国でも応援団はお気楽に、「我が民族は優秀だ」といった感情に訴えます。
戦いまでもつれ込んだ場合、一方が他方に降伏すると、けんかは終わります。しかし、長い目で見たときに、それでは終わりません。一見さんとの喧嘩ならそれっきりですが、将来にわたって付き合わなければならない場合は、尾を引くのです。ご近所だとか、同業他社だとか。国内でも国際的にも。負けた方が忘れればよいのですが、忘れません。たぶん、永久に。この項続く。
アメリカ政治、社会倫理的争点
東京財団のリポートから。
アメリカの中間選挙で、同性婚が争点になるかもしれないと伝えられています。「社会的争点で守勢に回る共和党」。このほか、人工妊娠中絶など「社会的」「宗教的」な争点が、政治・政党間で争われます。社会的争点という表現では、貧富格差などを思い浮かべるので、倫理的争点と呼んだら良いのでしょうか。
日本の政治では、このような争点は、どのように扱われているか。マスコミは、これらの争点をどう扱っているか。行政府(官庁)は、どのようにかかわるのか。そのような点に、私は関心があります。
社会の課題を解決する
少子化が、日本の大きな政治課題に上ってきました。合計特殊出生率が、1989年に1.57に下がり、「1.57ショック」と呼ばれました。1994年には、エンゼルプランと緊急保育対策等5か年事業が始まりました。保育サービスはかなり改善されましたが、出生率はその後も下がり、2005年には1.26と最低になりました。昨年は1.43に回復していますが、まだ1.57にも戻っていません(9月2日付日経新聞経済教室、松田茂樹・中京大学教授)。
ここでは、社会の課題と対策について述べてみます。
同時期に問題となり対策が取られたのが、高齢者介護です。ゴールドプランが策定され、ホームヘルパーや老人ホームを急速に増やしました。2000年には、介護保険制度を導入しました。私は当時、自治省財政局の課長補佐をしていて、「こんな急速に財源手当(交付税措置)を増やして良いのかな」と、少し自信がなかったのです。しかし、これは大成功でした。高齢者が増え、介護の必要な人が急速に増えました。それだけの需要があったのです。
保険制度を取っていますが、公金でサービスを提供することは、行政は得意です。このように、成果が出ています。介護保険の場合は、それまで行政が直接サービスを提供していたものを、民間によるサービス提供に切り替え、経費や質の合理化も目指しました。
保育サービスも、お金をかければ、そして仕組みを工夫すれば、よりよいサービスが提供できると思います。
社会には公的サービス(お金や制度)だけでは、改善しない課題も多いです。しかし、そのような中でも、改善が進んでいるものがあります。女性の年齢階級別労働力率(M字カーブ)です。
結婚や妊娠を機に働くことをやめる女性がおられます。子育てにめどがついてから、もう一度働きに出ます。これをグラフにするとM字に似ているので、M字カーブと呼ばれています。諸外国に比べ、真ん中の落ち込みがひどかったのです。ところが、これも徐々に改善しています。9月15日の読売新聞が、「ママ世代74%労働力に。25~44歳過去最高」を伝えていました。『男女共同参画白書』平成25年版には、次のように書かれています。
・・女性の年齢階級別労働力率について昭和50年からの変化を見ると,現在も依然として「M字カーブ」を描いているものの,そのカーブは以前に比べて浅くなっており,M字の底となる年齢階級も上昇している。
昭和50年では25~29歳(42.6%)がM字の底となっていたが,25~29歳の労働力率は次第に上がり,平成24年では,年齢階級別で最も高い労働力率(77.6%)となっている。24年を見ると35~39歳(67.7%)の年齢階級がM字の底となっているが,30~34歳の年齢階級と共に30代の労働力率は上昇しており,M字カーブは台形に近づきつつある(第1-2-1図)・・
子育て中の女性が働きやすいように、環境が改善されてきたということでしょう。それは、保育サービスの改善であり、社会の見方が変化してきた、すなわち結婚や出産を機に「やめるのが当たり前」という意識が変わってきたということです。
サービスの改善、これには公的サービスと私的サービスがあります。そして、国民の意識改革、これにも当人だけでなく周りの者の改革が必要です。社会の意識を変えるのは難しいです。しかし、できないことではありません。
現在の日本が抱えている社会問題の多くは、サービス改善では解決しません。子どもの虐待、いじめ、引きこもり、家庭内暴力、ストーカー行為、自殺、孤独死、認知症老人の迷子、男女共同参画、地方の衰退・・。続きは、次回に。