年別アーカイブ:2014年

復興での男女参画

2014年2月21日   岡本全勝

男女共同参画の視点からの復興~参考事例集~」を更新しました。今回の特徴は、女性の事例だけでなく、障害者、高齢者、男性の子育てなども、紹介しました。
障害を持つ人にも住みやすいまちづくり(表中の番号2)
地域に根ざす起業を支援(11)
高齢者による仮設住宅単位の畑仕事(21)
学校を守る父親たちの活動(27)など。

企業間の支援をつなぐ

2014年2月21日   岡本全勝

復興庁では、被災した企業と応援してくださる企業とを「お見合い」してもらい、どのような応援ができるか「つなぐ」事業をしています(結の場)。昨年2月に気仙沼で行った「お見合い」の最終報告が出ました。
お見合いは48件あったのですが、成り立ったのは26件でした。例えば、食堂で気仙沼の海産物を使ってくださっている例、食品衛生管理を指導してくださった例などがあります。

仏典漢訳、2

2014年2月20日   岡本全勝

さて、その漢文経典を、古代日本人は朝鮮半島から学び、次には中国本土に学びに行き、輸入しました。そして、そのまま音読みしました。「如是我聞・・」を、「私はこう聞いた・・」とか「仏は次のようにおっしゃった・・」と翻訳せずに、「にょぜがもん」と読んだのです。「般若波羅蜜多」「羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦」も意訳することなく、「はんにゃはらみった」「ぎゃてい ぎゃてい はらぎゃてい はらそうぎゃてい」と声を上げます。別途、それを解説するために「説教」が行われたのでしょう。
キリスト教にあっても、ヘブライ語の聖書を、ギリシャ語やラテン語に翻訳しました。しかし、中世末期まで西欧の教会では聖書はラテン語でした。中世の西欧庶民も日本庶民も、それぞれラテン語聖書と漢文経典を、意味はわからず妙なる呪文として唱えていたのでしょうか。
また、単語を逐語訳することを見た日本人は、経典に返り点をつけることで、漢文を読む方法を編み出したのでしょう。訓読は、ここから来たと思われます。誠に省エネな翻訳でした。
仏典漢訳史には、鳩摩羅什や玄奘といった著名な翻訳家がいますが、日本語訳には、いないのでしょうね。

組織の能力、6。仕事の仕方と社風を作る、2

2014年2月20日   岡本全勝

被災者生活支援本部は発災直後の混乱時期でもあり、政務職と事務職があつまり、毎日の会議で多くの事案を即断即決しました。職員もそのほか関係者も、「早く何らかの手を打たなければならない」という意識でした。また、世間全般が、そのような雰囲気でした。前回に述べた「公務員の欠点」は、出る幕がありませんでした。
まずは、どのような要望も意見も受け付ける。直ちに処理できるものは、そこで決める。直ちに返事できないものは、その旨を報告し、急ぎ検討してもらって、その結果を報告する。部下からの報告を待つのではなく、トップダウンで決めて進める。情報を待つだけでなく、こちらから聞きに行く。そのような仕事の仕方と社風ができ、それを、復興本部、復興庁に持ち込んだのです。
その結果、いくつも新しい解決を編み出してきました。もちろんこれは、国会や関係府省のご理解と協力のおかげです。

復興庁は今も、とてもフラットな組織で、統括官(局長)、参事官(課長)、企画官、補佐、係長、係員が、テーマごとに集まって議論をし、方向を決めています。通常の府省だと、係長や係員にとって、局長室は「遠い」です。
また、統括官や参事官が自らペンを持って、職員に指示を出します。ボトムアップを待つことなく、トップダウンで課題を解決するのです。業務が定型化してくると、ボトムアップになります。でも、次々と新しい課題が出てくるので、トップダウンにならざるを得ないのです。復興庁の参事官たちは、霞が関の課長の中でも、最も多くペンを持ち、パソコンで文章や資料を作っていると思います。
そして職員は、しばしば現地に足を運んで、現場を見ています。机上の空論でなく、現場で答を出すのです。あわせて、市町村長や自治体職員と、頻繁に意見交換をしています。これが、信頼関係を作っているのだと思います。それが、先日紹介した市町村長アンケート結果「復興庁の評価」に出ているのでしょう。
復興庁で仕事をした多くの職員が、このような仕事の仕方と社風に驚いて、「勉強になった」と言ってくれます。「親元の省では、新しい事業を考えても、予算要求の枠があり、上司を説得してと、なかなか実現できません。復興庁では、こんなに早くできるとは」とか「新しいことができ、結果が出せるので、うれしかったです」とか。もっとも、もれなく「仕事は大変です」という言葉も、ついています(苦笑)。

組織の能力、5。仕事の仕方と社風を作る

2014年2月19日   岡本全勝

被災者支援本部や復興庁が、設立母体なくできた組織だと指摘しました(組織の能力3)。すると、仕事の仕方や社風を作らなければなりません。もっとも、意識して作らなくても、自然とできあがるものでもあります。しかし、自然とできあがる社風が、組織の運営に適切なものかは、保証の限りではありません。
ここに集まった職員の多くは、国家公務員です。国家公務員の良いところと悪いところを持っています。官邸、国会、与野党、各省との仕事のすりあわせ方は、みんな知っています。法令の読み方、法律のつくり方、予算の要求や執行の仕方も、知っています。
他方、しばしば批判される欠点「それは前例にありません」「法律に書いていません」「予算がありません」という公務員的思考を、持ってきている人もいます。
被災者支援本部も復興庁も、「これまでにない大災害」に対応するために作られた組織です。「前例がありません」などという発想自体が、矛盾しています。
そして、スピード感です。目の前に今、困っている人や自治体がいるのです。「それは私の所管ではありません」とか、検討のしっぱなし(お蔵入り)では、存在意義がありません。もちろん、その場で回答できないもの、検討に時間を要するものはあります。しかし、できるだけ早く、的確な回答をすること。前例がないことでも、できないか知恵を出すことが必要です。
できない理屈を探すのではなく、また自分の所管でないことの理由付けを考えるのではなく、どうしたらできるか、誰ならできるかを考えるのです。(ただし、全ての要求に、国が答えられるものでもありません。国民の税金で行うのですから、一定の限度があります。)
そして、予算をつけたことや通達を出したことで、「やりました」としないことです。それは、霞が関ではアウトプットですが、被災地ではインプットです。現地で結果を出さない限り、「やりました」とは言えません。
この項続く。