不可抗力におわびは必要か

最近の大雪の日の新聞に、配達遅れをお詫びする文章が載っています。「新聞の配達が遅れて、申し訳ありません」とです。読者から、苦情が来るのでしょうか。
でも、仕方ないですよね。こんな日に、ふだん通りに配達することは、新聞社と配達店の能力を超えています。お詫びする必要があるのでしょうか。
電車が遅れた場合も同様です。お客さんが急病になって介助した場合、人身事故で遅れた場合などで、「到着が遅れて申し訳ありませんでした」とアナウンスがあります。でも、これも鉄道会社の責めではなく、対応能力を超えています。
自らの責任でないこと、また努力しても改善できないことをお詫びするのは、変ですね。自らの過失など責めを負う場合と負わない場合とで、同じお詫びをすると、おかしな結果になると思います。後者の場合は、「今後このようなことのないように、注意します」とは、言えないのです。
不可抗力の場合は、遅れる事実とその理由を例えば「雪のため、配達が遅れる場合があります。ご了承ください」と伝えておけば、一般の方は納得するでしょう。「それなら、しゃあないなあ」と。