難しい判断をする基準

「全勝さんは、ある難しいことを判断し、決断するときに、何を基準にしていますか」と、問われることがあります。私は、次のように、答えています。
私が、難しい判断をする場合に、視点は3つあります。過去、現在、未来です。
1つは、過去の事例であり、歴史です。前例があるなら、それを参考にするべきです。もちろん、その前例通りにしろ、というわけではありません。
ある事案には、そこに至る歴史があります。いろんないきさつと関係者との関わりの結果、ここまで来ているはずです。だいたい、私のところに持ち込まれるのは、関係者の間でもめた案件ですから。それを無視して、白地で判断することは無謀です。
また、専門家がいるのなら、その人の意見を聞いてみるべきです。
第2は、現在であり、部外者です。すなわち、周りの人が、私の結論をどう思うかです。私が正しいと思っても、国会議員やマスコミなどが、「なるほど」と思ってくれないと、収まりません。上司と部下とで、「これくらいが、よいですね」といっても、外部の人が納得しないと、意味がありません。
もちろん、それらの人におもねる、ということではありません。官僚ですから、筋は通す必要があります。
第3は、未来です。未来の人が、どう評価するか。将来の子どもたちに、どのような説明ができるかです。
筋を通す場合、それが正しいかどうか。それは、未来の人たちが評価します。10年後や20年後の人たちに、「私は、このような理由で、このような判断をした」と、説明できるかどうかです。
これは、次のような表現をする場合も、あります。
岡本全勝Aの斜め後ろに、岡本全勝Bがいて、Aに向かって「おまえ、そんなことを言ってよいのか」と、牽制するのです。難しい判断の時は、一人になって、この3つを頭の中で「体操」します。
かつて、このホームページでも、書いたことがあるはずなのですが、検索しても見つからないので、書いておきます。最近も、そのような事態があったので。