もうすぐ2年、進み始めた現地

震災2年をひかえ、各紙が特集を始めています。
3月1日の朝日新聞は、被災市町村長へのアンケート結果を載せていました。それによれば、岩手県では、「どちらかといえば進んでいる」が6団体、「どちらかといえば進んでいない」が6団体。宮城県では「どちらかといえば進んでいる」が12団体、「どちらかといえば進んでいない」が2団体。福島県では、「進んでいる」が1団体、「どちらかといえば進んでいる」が3団体、「どちらかといえば進んでいない」が5団体、「進んでいない」が6団体でした。
これまでは、「進んでいない」「××が困る」といった、悲観的な発言が多かったですが、最近は変わってきました。岩手県北部と宮城県では、ほとんどの首長が「どちらかといえば進んでいる」と、我が町の事業の進捗に自信を持っておられます。ありがたいことです。
それだけ、事業が進んだと言うことです。一番の課題である住宅再建に関して、これまでは移転のための計画策定、住民合意、用地買収などの「下ごしらえ」の期間でした。それらができたところから、工事が始まっています。
「進んでいない」という答えが多いのは、原発避難市町村です。多くの地域でまだ帰還ができず、復興作業に入れません。

またその記事の中で、長島忠美復興大臣政務官のインタビューが載っていました。長島政務官は、旧山古志村長です。2004年の中越地震の際に村が直撃を受け、避難と復興の指揮を執られました。
・・・発生から約3週間後。「何の目標も示さないで、何を頑張ればいいんだ。バカ村長」。村民が避難所のノートに書き込んでいた。支援金や住宅再建の手助けよりも大事なのは、「いつになったら帰れるか」という目標だと気付いた・・
土地の地権者の確定に時間がかかることは、想定していた。土地の収用が遅れれば、工事が2年も3年も遅れてしまう。そこで「道路を造る場所などで文句を言わないでほしい」と、村民680世帯から「白紙委任状」をもらった。これで土地の権利関係がはっきりしていなくても、道路をつくれるようになった。
被災者が最後に頼るのは、選挙で選ばれた首長だ。危機の時にこそ頼られている自覚を持ち、目標を明確に示す政治的リーダーシップを発揮してほしい・・首長の覚悟は必要だ。覚悟を決めたならば、国も支援したい・・