産経新聞が、被災140市町村長(対象167市町村長のうち回答のあったもの)のアンケート結果を載せていました。
震災後の政府対応に関する質問では、「評価できない」が68人、「どちらともいえない」が65人。「評価できる」は、5人です。評価できない理由としては、「スピード感がない」が目立ち、「どちらともいえない」と回答した首長は、復興交付金制度や復興庁の創設を評価する一方、原発事故対応のまずさを問題視する意見が多かったとのことです。
復旧復興状況に関する質問では、81人が「予想以下」と回答。「予想通り」が52人で、「予想以上」としたのは1人だけです。「予想以下」の理由では、福島県内の首長を中心に28人が除染や風評被害の回復が困難なことなど、福島第1原子力発電所事故の影響を挙げています。
復興計画策定で国、県との連携はうまくいっているかという質問には、「思う」が55人、「思わない」が61人、「わからない・無回答」が24人でした。
全体として厳しい指摘をいただいていますが、何人かの首長さんには評価もしてもらっています。何が良くて何が悪いのか、反省しながら仕事を進めます。
年別アーカイブ:2012年
産業の復興と雇用の回復
3月1日付け読売新聞は、1面で復興についての連載を始め、また「被災企業と雇用」について特集を組んでいました。
3県で被災した商工業者は2万7,149業者で、うち22%、5,947業者が事業を再開できていません。1,754業者が廃業を決めています。
街の復旧、インフラの復旧が進んでいないこともありますが、新たな借金を抱えて事業を再開することが困難な上に、人口減少が続く高齢過疎の町が多く、将来の見通しが難しいことも大きな理由です。
求職者数と求人数のズレも,大きな課題です。がれき処理など,短期で臨時の雇用が多く、安定した仕事が少ないのです。
自治体などが被災者を雇用する「雇用創出基金事業」は、これまで約3万人を雇いました。もっともこれは、短期の雇用です。
空き屋対策
「日経グローカル」1月23日号が、空き屋対策を特集していました。
総務省の調査では、人の住んでいない空き屋は、全国で757万戸、住宅全体に占める割合は13%だそうです。かつて土地と家屋は、第一の財産でした。しかし、地方では過疎化が進み、都会でも相続人がいなくて、空き屋が増えています。
今年の冬は積雪が多く、雪下ろしをしないと、積もった雪の重みで家が倒壊することも起きています。防犯や防火の観点からも、危険です。もちろん、景観も損ねます。
各地の自治体が、知恵を出して対策を講じています。土地を寄付してもらう代わりに、自治体が古家を取り壊すとか。時代が変わると、地域の課題も変化するという例の一つです。
東京は久しぶりの積雪
東京は、明け方から雪が降り始め、午後まで降っていました。報道では、積雪は2センチメートルとのことですが、わが家の周辺は結構積もりました。道路では、車のタイヤの跡だけ雪がなくなり、そのほかのところに残っています。これが凍ると滑るので、例によって雪かきをしました。
玄関脇で咲いた水仙は、一つの茎に6つほどの花が次々と咲き、華やかです。1月20日に咲き始めたので、長く咲いています。
国民の政府への信頼
今日、あるところで、復興の課題について、お話をする機会がありました。質疑応答の際に、政府に対する国民の信頼についての、質問がありました。今回の大震災、特に原発事故対応のまずさから、国民の政府への信頼が大きく損なわれたのではないか、という趣旨の指摘です。
御指摘の通りだと思います。発災以来、そのことを考えていたのですが、あまりに大きな課題であることと、胸に思うところがあって、今日はうまくお答えすることができませんでした。
会社が商品やサービスを売る際に、その会社や商品の信頼は、価格や品質とともに、いえそれ以上に重要な要素です。中味がわからないときに、私たちは発売元の会社を信用して選択します。
行政サービスはほとんどの場合、選択の余地がありませんが、国民の地方自治体や国への信頼は、日常の行政執行の際に現れると思います。 住民に信頼されない政府は、政策実行に大きなコストがかかります。この点については、拙著『新地方自治入門』p269で、述べました。
信頼を築くには長年の積み重ねが必要ですが、それを失うのはあっという間です。明治以来、先人たちが積み重ねてきた日本政府への信頼、官僚や行政機構への信頼を、この20年で私たちは大きく損なってしまいました。
政府への信頼については、いくつもの研究が出ています。今回失われた信頼を取り戻すには、多大な努力と時間が必要でしょう。情報を公開すること、良いこともまずいことも。そして、一つ一つ課題を解決して、国民の信頼を回復するしかありません。