年別アーカイブ:2012年

民間軍事会社

2012年8月16日   岡本全勝

気になって買ってあった、菅原出著『民間軍事会社の内幕』(2010年、ちくま文庫)を読みました。イラク戦争で、アメリカが民間の警備会社を雇っていたことは有名です。軍隊並みに武装し、警備や輸送などに従事しています。その実態から、「民間軍事会社」と呼ばれています。
その中には、軍隊並みの仕事をする会社、軍隊の補給や基地の炊事洗濯を請け負う会社、人質救出の交渉をする会社、危険地帯に行く人(取材記者)を実地訓練する会社など様々です。
戦闘地域やその周辺で活動するので、とても危険です。日本人社員(兵士)が、巻き込まれて死亡したこともありました。
アメリカ軍の経費や職員削減を受けて、「事業」を外注に出すことが広がったとのことです。確かに、基地の炊事や洗濯を外注に出すことは違和感がありませんが、武装して政府要人を警護することになると、ここまで外注ができるのかと、感心します。捕虜収容所で捕虜の通訳をすることも理解できますが、尋問をすることまで請け負うとなると・・。まあ、中世ヨーロッパでは、軍隊自体が傭兵で外注していたのですから、できないことはないですが。
一方、受託する会社は、軍のOBそれも特殊部隊の経験のある元兵士を雇っています。軍人の給料は安く、軍事会社の報酬は高いです。ここに、兵士=従業員の需給が成立します。
記者が取材地で反政府勢力にとらえられた場合を想定した訓練(もちろん有料)を、受けた経験が載っています。平和な日本にいると理解しがたいですが、危険地帯に行く記者や外交官などは、必須の教科でしょう。

復興の現状と取り組み

2012年8月16日   岡本全勝

定例の「復興の現状と取組」を、更新しました。今回新しくなったのは、次のようなページです。
p11、「災害廃棄物の処理工程表」を載せました。平成25年3月と26年3月の目標に向けて、どの程度進んでいるかを、グラフで示しました。
p12、廃棄物だけでなく、津波堆積物を含めた処理状況を載せました。
p13、14、木くず、不燃混合物、コンクリート・金属などが、どの程度再生利用され、県外で広域処理されるか、わかりやすい図を載せました。
ご利用ください。

8月15日

2012年8月15日   岡本全勝

今日は、終戦記念日、お盆でした。職場で、「12時に黙祷をするように」と再確認したら、結構な数の職員が出勤していました。夏休みも取ってくださいね。
一昨日、私の部屋に相談に来た某参事官曰く、「お盆明けに大臣に報告したいので、資料を見てください。ところで、岡本統括官は、休みを取らないのですか」。
私の返事は「あんたが、このように相談に来るから、休めへんのやないか」。M参事官は、笑ったままでした・・。
今日は、大臣が午後から出勤。その件を含めて、早速説明。さらに夕方、帰ろう(出撃しよう)と用意を始めたら、大臣が私の部屋に「攻撃」に来られて・・。結局、たまった資料の整理は、半分も進まず。去年は休みがなかったので、それに比べれば・・。
夜は、この日しか空いていないという民間の方と、「意見交換会」。これでは、普段と何も変わりませんね

東日本大震災に対する特別交付税の対応

2012年8月15日   岡本全勝

月刊『地方財務』2012年8月号(ぎょうせい)に、黒田武一郎・総務省財政課長(現・審議官)が、「特別交付税の機能についての考察―東日本大震災に係る対応を中心として―」を書いておられます。55ページにわたる大論文です。
地方交付税の解説というと、多くは普通交付税について書かれています。この論文では、とかく忘れられがちな特別交付税の機能について書かれたものです。
さらに、今回の東日本大震災に際しては、これまでにない対応を、いくつもしてもらいました。通常なら基礎数値の報告を待ってから算定するものを、それを待たずに行ったこと(町役場が流された町は、それどころではなかったです)。災害復旧の場合は、地方債でひとまず手当てして、その元利償還金を後に交付税で措置するものを、現ナマの交付税で手当てしたこと。国庫補助事業の地方負担分をほぼすべて手当てしたこと(被災地では自己財源がありません)。東京都にも配ったこと(これは制度ができて以来、初めてのはずです)。単年度でなく、複数年度を考慮した配分にしたことなど。
担当課長として、その際の考え方を整理した論文です。後世に残るものでしょう。ありがとう。
「とかく官僚や行政は、前例通りで融通が利かない」と批判されますが、これを見ていただくと、そうでないことがわかってもらえます。このような大胆で臨機応変な措置をしていただいた総務省と財務省に、感謝します。でも、マスコミって、こんなことは書いてくれないのですよね。

低線量放射能への不安、足を踏みつけた場合の対応

2012年8月15日   岡本全勝

8月15日の朝日新聞「ニッポン前へ委員会」、神里達博大阪大学准教授の発言から。
震災がれきの広域処理をめぐって、拒否反応があることに関して。
・・実は、この問題の背景には、現代社会におけるリスク問題に特有の「二つの不在」が作用していると考えられる。
まず一つは、「知識の不在」である。現代の行政は原則として、科学的事実に基づいて客観的に遂行される。ところが、あるレベルを下回る放射線の健康影響については、科学的知見そのものが不足している・・
もう一つは、「責任論の不在」である。たとえば電車内で足を踏まれたとき、相手からの「すみません」の一言があるかないかは、大きい。もし、謝罪の言葉よりも先に「あなたの足にかかった圧力は弱いので、けがの恐れはありません、ご安心ください」などと言われたら、かなり温厚な人でも怒るだろう。だが、今回の原発事故に伴う放射能汚染の問題では、まさにそのような状況が続いている。程度の差はあれ、「足を踏まれた人」は間違いなく大勢いるのに、謝罪する者は事実上、現れていない。人々はきっとそのことに、どうにも納得がいかないのである・・