年別アーカイブ:2012年

企業による被災学生への奨学金

2012年11月7日   岡本全勝

11月2日の毎日新聞が、企業による奨学金を書いていました。いろんな企業が、被災3県の学生を対象に、奨学金を作ってくださっています。カゴメ、カルビー、ロート製薬が作った「みちのく未来基金」、家具のニトリ、ローソン、三菱東京UFJ銀行、旭硝子、ソフトバンクの孫社長などです。サントリーは、缶飲料を1缶売るごとに1円を積み立てて、40億円を用意しました。大阪府宅地建物取引業協会北支部は、アパートを無償提供してくれます。ありがたいことです。
日本学生支援機構(かつての日本育英会)が、東日本大震災の被災学生等に対する奨学金の一覧表を作っています。これは、大学生などが対象です。文部科学省のホームページには、小学生などを対象とした奨学金も載っています。

仮設住宅での悩み

2012年11月7日   岡本全勝

東北復興新聞第17号に、藤沢烈さんが、岩手県が実施した「応急仮設住宅周辺調査」の報告書について、「住宅再建・就労問題の解決へ向け、ソフト施策の強化を」書いています。
報告書は、9月21日に公表されているようです。この調査は、応急仮設住宅に住んでいる世帯ごとに、生活の状況を聞き、生活課題を明らかにし、改善につなげることを目的としています。重要な調査だと思います。しかも、施設に関する質問だけでなく、人とのつながりなどの質問項目が多いです。仮設住宅を造っただけでは、被災者の生活の不安はなくなりません。買い物が不便だといった条件問題だけでなく、つながりや悩みなど心の問題も重要です。
いくつか特徴的なことが出ています(要約は報告書p3)。
・70代以上女性の44%が単身世帯で、60代以上の世帯の半数以上は、単身もしくは配偶者のみです。
・男性は約4割が、プライベートな相談をできる人がいません。
・単身者のうち15%は、団地内においても会話をしていません。
・集会所・談話室を利用している人ほど、支援への満足度、生活満足度、施設への満足度が高いです。
宮城県でも、昨年10月から今年1月にかけて、同様の調査をしています。こちらは時期も早いので、施設に関する項目が多くなっています。

民間連携事例と女性の参画事例

2012年11月6日   岡本全勝

11月5日に、次の2つの事例集を、復興庁のホームページに載せました。
1つは、「多様な担い手による連携事例」です。復興の現場で、行政機関と企業やボランティア団体が手を携えて取り組んでいる例を紹介しました。生活支援、雇用や産業支援、まちづくり支援、情報発信などの分野に分けて、事例を載せてあります。具体例を見ていただくと、「こんな工夫もあるのか」と、参考になると思います。昨日、「NPOとの連携を進めたい」と書きましたが、その実践の1つです。
NPOや企業は、いろんなかたちで、復興を支援してくださっています。それらを分類して紹介したいのですが、あまりに多様で整理し切れていません。そこで、今回は行政が、そのほか2者以上と連携を取っている事例に絞って、載せました。「もっとこんな事例もあるぞ」とお気づきの方には、ぜひ復興庁にお知らせください。順次、追加します。
もう1つは、「男女参画の事例」です。避難所の運営の際にも、女性の力が認識されました。復興の過程でも、女性の視点、女性の参画は重要です。まちづくり計画過程での参加、女性の仕事づくり、暮らしでの支援などに分けて、事例を載せました。緊急雇用を活用して働く場を作った例、女性外来診療室を作った例などがあります。他の地域でも、参考にしてください。
それぞれ、職員が、事例を集め、知恵を絞ってわかりやすい様式で解説を書きました。ぜひ、個表をごらんください。

大熊町の住民意向調査

2012年11月6日   岡本全勝

11月6日に、福島県大熊町の住民意向調査結果を公表しました。今回は、世帯別調査で、回収率は64%でした。大熊町は第1原発に近く、放射能汚染がきつい地域です。
帰還意思については、「戻りたい」が11%、「判断がつかない」が42%、「戻らない」が45%と、厳しい結果が出ています(p10下)。戻らない理由は、「放射線の不安」が81%、「原発の安全性に不安がある」が70%、「家が汚損され住める状況ではない」が68%、「商業施設が元に戻らない」が63%などです(p11、複数回答)。

NPOの貢献

2012年11月5日   岡本全勝

11月5日の朝日新聞連載「限界にっぽん、福島が問う政府」は「避難町民、結束へNPO」として、NPOの活躍を取り上げていました。
その例として、福島県浪江町からの避難民でつくっているNPO法人「まつづくりNPO新町なみえ」が取り上げられています。この団体は、全国に散らばった避難者の交流に力を入れ、孤独死も防いでいます。
・・全国に散らばった人たちをつなぐ役目を政府が担いきれず、その穴を町民自らが始めたNPOが埋めている・・
復興庁で非常勤職員を勤めてもらっている田村太郎さんが、「お雇い民間人」として紹介されています。
・・活発にうごくNPOなどの民間団体の力を生かそうと、政府も模索している・・
・・2年前後で異動をくり返す霞が関では、そもそも専門性にすぐれた人材は生まれない。民間の専門家との協力は欠かせないはずなのに、十分にできていないのは「政府も民間を信用していないから」。民間は言いたいことだけ言って責任をとらない、といった意識が政府には強いという。
・・「おたがいに不信をもつ政府と民間のあいだには『通訳』が必要なのに、それができる人材が足りない」と湯浅(誠)さんは話す・・
記事には、福島を支援している団体の活動例や、NPOと行政を比較した特徴の差を整理してあります。原文をご覧ください。
復興庁では、ボランティア活動やNPOの活躍に期待をしています。役所ではできない、やりにくい分野があります。また地域の復興は、行政だけでできるものではなく、企業やボランタリー・セクターの役割も重要です。このホームページでは、繰り返し主張しています。「被災地から見える「町とは何か」~NPOなどと連携した地域経営へ~」にも、詳しく書きました。先日の総理大臣の所信表明演説でも、触れていただきました。
復興庁では、「ボランティア連携班」をつくって、田村さんのようなNPOの「復興関係のプロ」に来ていただき、助言をもらっています。記事が指摘するような「官僚や行政機構の欠点」は確かにあります。反省しなければなりません。それを、少しずつ打破したいのです。
まだ取り組み始めたばかりですが、関係者の理解と協力を得て、成果を出していきたいと考えています。リュックサックを背負った個人ボランティアの活動は、広く認知されているのですが、NPOの活動はまだ理解が少ないです。マスコミも、NPOの活動をどんどん報道してください。