計画の縮小、作業の手戻り

復興推進員会で述べられた発言の中に、なるほどと思うことがたくさんありました。
その一つが、これからの復興まちづくりにおいて、「見直し、縮小、手戻りが出てくる」という指摘です。発災直後は急いで、将来計画を作りました。それはそれで必要だったのですが、時間が経って落ち着いて考えると、別の考えも出てきます。すると既に作った「まちづくり計画」の見直しが必要となります。それはしばしば、現計画の縮小です。「あのときは、立派な計画を考えたけれど、これからの生活や資金を考えると、もう少し小さくしても良いなあ」とかです。戸建て住宅を考えておられた方も、これからの老後を考えると集合住宅の方が便利だとか。
そして、計画を見直すと、作業の手戻りが出てきます。ある人曰く「縮小とか手戻りは、役人が一番嫌うことです」。確かに、一度決まったことを見直すのは面倒だし、確保した予算を削減するのも嫌います。しかし、「立派な町並みができたけれど、人が住んでいない」という結果にならないように、縮小は嫌がらずに行うべきでしょう。
そのためには、世間の人も、「早く成果を出せ」と言わないでください。これは、行政(公務員)の成果を、使った予算の額で評価するのか、できあがった街の大きさで評価するのか、住む人たちの満足度で評価するのかにも、関係しています。予算で測るのが、一番簡単なので・・。