災害関連死

今日、検討会を開き、分析結果を報告し、提言をまとめました。
今年3月末までの関連死者数は、1,632人で、そのうち1,263人について、市町村から書類を見せていただき、原因を調べました。それによると、60歳以上の方が95%です。また、発災後1か月以内に亡くなった方が5割、3か月以内に亡くなった方(累計)は8割です。原因で多いのは、避難所などでの疲労、避難所などへの移動中の疲労、病院の機能停止です。今回の災害での特徴は、避難途中で亡くなった方、それも原発事故からの避難途中と思われるものが多いことです。目的地が決まらないまま、急いでかつ遠距離を移動した人もおられました。十分な介護もなく、ベッドではなくマイクロバスで、何か所かを移動した人もおられます。これについては、しっかりとした検証が必要です。
関連死の防止に取り組んでおられる方から、ご意見も頂き整理しました。なるほどと思う意見を、いくつもいただいています。ありがとうございました。例えば、次のようなことを、指摘しておられます。
・・マスコミは、まるで「心のケア対策」なる明確なものが存在し、それを行えば様々な被災者の心の問題が解決すると報道する傾向にある。しかし本来は、地域経済・職業・健康状態の改善等、いわゆる生活再建を通して、はじめて被災者の心の健康が回復していくものである。生活不安が解消しない状態では、心のケアは万能ではないことを知るべき・・
これまでの災害対策では、発災直後72時間の救出に力を入れてきました。それは、消防・警察・自衛隊の役割です。しかし、避難所や仮設に入ってからの診療や介護、生活支援は十分には認識されていなかったようです。被災者生活支援チームがつくられたのは、今回が初めてです。市町村役場にも、専門組織はありません。救助の次は、インフラ復旧や仮設住宅建設に移っていたようです。避難所に収容してからの避難者の生活支援をどう準備するか、今後の課題でしょう。
これまでにない作業をまとめてくれた、諸戸参事官チームに感謝します。