すごくおもしろかったので、シャロン・モレアム著『迷惑な進化-病気の遺伝子はどこから来たのか』(2007年、日本放送出版協会)、フランク・ライアン著『破壊する創造者-ウイルスがヒトを進化させた』(2011年、早川書房)、山内一也著『ウイルスと地球生命』(2012年、岩波科学ライブラリー)を、立て続けに読みました。といっても、寝る前の布団の中で、他の本に道草を食ったりしているので、1か月くらいかかりました。
一つ目の本は、ある種類の病気になる遺伝子を持った家系・民族がいます。なぜ、そんな家系が続いてきたのか。それは、その病気の遺伝子が、別の病気を防いでいるという説です。
そして3冊とも、ウイルスが生物を、人類を含めて進化させてきたことを論じています。ヒトの遺伝子の多くの部分が、ウイルスが感染して残ったものであること。突然変異だけでなく、ウイルスが感染することで、遺伝子が合体し変化して、種が進化するのだそうです。へ~。
私の解説では、これらの本の内容を十分に伝えられないので、ご関心ある方は本をお読みください。
すると、進化の系統樹は、太い幹が順に枝分かれしたのではなく、いろんなところで「交差」することになります。
進化によって、いろいろな種ができ、置かれた環境で生き残ったものだけが、存在することになります。そのほかの多くが発育できないか、死に絶えます。こんな話を聞いていると、人類があるのは偶然であり、生き残っていることが奇跡であること、ウイルスにとって宿主(ヒトもその一つ)が死に絶えようが、病気になろうが「知ったことではない」こと、健康な状態は「希な」ことなどなど。考えさせられます。