『フォーリン・アフェアーズ・リポート』3月号、ジェラルド・カーチス教授執筆「岐路にさしかかった日本の外交・安保政策」から。
・・・こと自国の外交政策に限っては、日本は19世紀後半から現在にいたるまで、非常に似たとらえ方をしてきた。 1868年の明治維新後に権力を掌握した指導者たちは、欧米列強が突きつける国の存亡に関わる脅威から国を守ろうと大戦略の構築に着手した。明治の指導者たちは、アメリカの指導者たちのように、自国の「明白な運命」を信じていたわけでもなければ、フランス人のように、自国の文化の美徳を世界に広めようとも考えてはいなかった。日本が直面し克服した課題は、「よりパワフルな大国が構築し、支配している国際システムでいかに生き残るか」にあった。
国際社会で生き残ることへの渇望が、いまも日本の外交政策を規定している。アメリカやその他の大国とは違って、日本が、国際アジェンダを規定し、特定のイデオロギーを標榜することで国益を模索することはない。この国は、外部の国際環境を所与のものとみなすことで、日本人が「時流」とよぶ国際的な流れに乗るために、現実的な調整を試みる。
第二次世界大戦以降、日本はそうしたプラグマティズムに導かれてアメリカと同盟関係を結び、これによって軍事的役割を防衛に限定できるようになった。しかしいまや中国が強大化し、北朝鮮は核開発を続け、しかも、アメリカは経済的苦境に陥っている。・・・
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