悲観論が、日本をさらに悪くする

朝日新聞19日の別刷りGLOBEに、アメリカの投資会社会長ウィルバー・ロスさんの「震災でも揺るがぬ技術力、成長への楽観取り戻せ」が載っていました。
・・1980年代から90年代の初めまで、日本人はやる気とエネルギーに満ち、誰もが日本の成功を確信していた。欧米諸国は真剣に日本に脅威を感じたものだ。あれから日本人の心理にいったい何が起きたのか。
バブル崩壊後の長期停滞で、日本の若者には成功体験がないから、とも言われる。だが私自身、大恐慌が尾を引く時代に生まれ、20年代の米国の繁栄を体験していない。それでも、我々の世代は楽観的だった。大恐慌でも前へ進もうとする「精神」は死ななかった・・なぜ日本の若者はこれほどまでに失望しているのか。悲惨さでいえば、第2次大戦の焼け野原からすべてを始めた彼らの親より上の世代は、もっと大変だったが、もっと楽観的だった。前に進む意欲があった。その子どもたちは将来を悲観している・・
日本の若い世代の「憂鬱」は震災が起きる前から続く現象だ。リーダーたちは何とかして、彼らが再び誇りを感じられるように、高いことを成し遂げたいと感じられるように差し向けなければならない。悲観主義の下では大きな経済成長は望めない・・
経営者が意気消沈していたら、その下で働く人たちにやる気を出せといっても難しい。日本人が必要以上に将来を悲観し、落胆していることに、日本が抱える問題の多くの原因があると思う。日本人には高い職業倫理と技術力がある。ほんの少し米国流の楽観主義を導入すれば、可能性を引き出せるのではないか・・

同感です。指導者や経営者は、悲観論やあきらめを示すのではなく、若者に元気な姿を見せるべきです。そして、マスコミも自虐的な悲観論を増幅したり、第三者的な批判を繰り返すことを止めて欲しいです。もちろん嘘はいけませんが、第三者的批判と悲観論からは、何も生まれません。批判をするなら、代案を出さなければ。