一つのモデル、スウェーデン

高岡望スウェーデン公使が、『日本はスウェーデンになるべきか』(2010年、PHP新書)を出版されました。高岡公使は、約10年前に省庁改革本部で一緒に仕事をし、ご苦労をかけました。全省庁を対象とした改革だったので、外交官である彼も、参加してくれたのです。
日本では、かつてスウェーデンは、福祉の先進国としてお手本とし、あるいは国連平和協力の先進国として視察先の一つでした。実は、地方分権の進んだ国でもあります。リーマン・ショック後、市場重視型経済モデル・「小さな政府」に疑問符がつき、高負担高福祉・「大きな政府」のスウェーデンが脚光を浴びています。
しかし、制度を輸入しただけでは、スウェーデン型の社会には、なれないようです。高岡公使は、スウェーデンの生き方の、より深いところにある「スウェーデンの本質」を、この本で論じておられます。2年間、彼の地で暮らした経験からの、考察です。先日までは、ノーベル賞授賞式の対応に追われておられたとのことです。今は、氷点下の寒さだそうです。
PHP新書は、たいがいの本屋に並んでいるので、ぜひご覧下さい。