今日は、日本大学大学院で講義。昨日、ネパールから帰ってきたばかりなのに。もちろん、出発前に準備していきました。
講義は、随所で脱線というか、議論の範囲を広げつつ、順調に進んでいます。今日で、第2部「自治体は地域を経営したか」を終了。今回の私の議論は、次のようなものです。
市役所の組織を運営することだけが、公共経営ではない。官・共・私の3つのシステム(場)を含めて、地域や国家がうまくいくように運営することが、公共経営である。また、個人が暮らして行くには、公共サービスや私的財と私的サービス提供だけではなく、他人とのつながり・社会的関係資本が必要である。日本の行政は大成功したが、次の課題への取組に転換することに遅れている。これからの地域経営は、働く場を中心とした「活力」と、他者とのつながりを中心とした「安心」が重要である、ということです。
次回から、第3部「市役所の経営」に入ります。ここからが、通常の公共経営論です。官僚として32年、県庁、府省、官邸と、いろんなところで勉強させてもらいました。その経験から、お話しします。
(授業の補足)
授業中に言及した本は、宮澤俊昭著『国家による権利実現の基礎理論ーなぜ国家は民法を制定するのか』(2008年、勁草書房)です。