島国と大陸国家

朝日新聞10月7日夕刊、関曠野さんの「対中外交、真の戦略的互恵へ。島国と大陸、違い理解を」から。
・・戦後日本は海外領土を失って、純然たる島国になった。そして戦後の繁栄は、外敵の脅威がなく貿易に好都合といった島国の利点をフルに生かした成果だった。安全保障は米国にゆだね経済に専念するというのは、まさに島国の戦略だった。そして皮肉にも、その成功が島国の民であるという国民の意識を希薄にしてきた・・
まず島国と大陸国家の相互理解は容易でない。島国には外敵による侵略や征服の脅威はないが、他方では海上封鎖で兵糧攻めにされる不安がある・・この島国の海洋に関する敏感さを、中国は理解しているだろうか。
だがその一方で、日本は大陸国家の悩みを認識しているだろうか。大陸では国境は政治の産物であり人口は極めて流動的なので、大陸国には島国の安定性、完結性、求心力がなく、国家は社会に作用する遠心力に悩まされる。ゆえに巨大大陸国家は宿命的に不安定で脆弱であり、旧ソ連のあっけない崩壊はその実例である。そこで社会の遠心力に対抗して集権的一元的統治システムを維持することが、大陸国家の至上命令になる。そして大陸国には、統治システムを安定させるために国境を接する周辺諸国を自分のシステムに順応させようとする傾向がある・・
正確には、原文をお読み下さい。