外交フォーラム休刊

外交と国際関係論のオピニオン誌だった月刊「外交フォーラム」が、休刊になりました。新聞でも報道されていました。私は重宝していたので、残念です。バックナンバーの目次を見てもらうと、その価値をわかってもらえると思います。
各省関係の雑誌で読み応えのあるのは、この「外交フォーラム」と旧経済企画庁の月刊「ESP」くらいだと、私は考えていました。外交問題や経済社会問題というテーマもさることながら、内容に主張があるからです。他の省の雑誌の多くは、法令解説であったり、施策のPRであったり、「文中意見にわたるのは個人の意見であり・・」と断っていながら意見はほとんどなかったりで、面白くありません。
「ESP」のバックナンバーも、ご覧ください。2007年3月号は、再チャレンジ社会特集で、私も編集に参加しました。
「ESP」も去年で休刊になり、電子版になってしまいました。このような専門政策分野のオピニオン誌は、購読者数が限られ、商業的には経営は難しいのでしょう。公的な機関が支援することは、できないのでしょうか。このような専門誌は、政策を深く掘り下げる場であり、研究者を育てる場でもあり、政策共同体の場であり、日本のソフトパワーを育てる場でもあるのです。その効果を考えると、安いものだと思います。
外交関係では、アメリカの「Forein Affairs Report」の翻訳である、月刊「フォーリン・アフェアーズ・リポート」があります。これは英語の原本が世界的に権威のある雑誌です。英語版を読めばよいのでしょうが、私のような者にとっては、日本語訳が読みやすく、ありがたいです。国際関係論において、アメリカの比重は圧倒的に大きいのですが、日本にその手の専門誌がないのは、残念であり、情けないですね。