28日の日経新聞「東京市場改革、誰のため」から。
・・1984年から始まった日米円・ドル委員会の焦点は、日本の金融・資本市場の開放だった。「世界第二位の経済規模にもかかわらず、かなりの障壁が残る」。当時のアメリカ高官が示した不満は、いまの東京市場への国際的な見方を聞くかのようだ。円・ドル委員会から4半世紀たってなお、国際化が議論される日本。1996年冬には、当時の橋本内閣が金融ビッグバンを掲げ、総合的な改革案を打ち出した。「2001年までに東京をロンドン、ニューヨーク並みの市場に」という目標は、いまもスローガンの域を出ない。改革の速度はなぜ遅いのか。「真剣に国益を考えないから世界を見ようともせず、のんびりした規制緩和ですませることができた」、ある社長は手厳しい。
・・イギリスの金融と関連サービス業は、過去10年で雇用を3割増やし、国内総生産の伸びの4割強に貢献したという。産業としての金融を育成すれば、国益にもかなうわけだ。国をあげて金融を振興する動きは、世界的に広がっている・・