年別アーカイブ:2008年

3回目

2008年4月26日   岡本全勝
今日は、第3回目の授業。予定より少し遅れていますが、想定内で、順調に進んでいます。春学期は、乗ってくると、すぐに連休なんですよね。遅れているのは、レジュメ以外のことに、「脱線する」からです。今日は、日経新聞社から提供していただいた小冊子を配って、新聞の読み方などもお話ししました。三田までは宅急便で送ってもらったのですが、100冊になると、結構な分量でした。中西編集委員、ありがとうございました。
そこから広がって、記事の作られ方、官僚と新聞記者の関係なども。他の授業では、聞けない話だと思います。昨年秋学期に私の授業を受講した学生さんからも、「面白いので、どんどん喋ってください」と応援をもらいました。
なお、授業で紹介した、ウエッブで読める解説は、例えば「清水真人編集委員」、他の人も。手嶋龍一さんの本は、『交敗戦―130億ドルは砂に消えた』です。
受講生数は、90人程度になりました。もっとも、小レポートを宿題に出したので(締め切り5月10日)、次回は減るかな。

2008.04.26

2008年4月26日   岡本全勝

矢吹初青山学院大学教授らが、『地域間格差と地方交付税の歪み』(勁草書房、2008年4月)を出版されました。
地方交付税による財政調整の結果を各団体ごとに調べ、通常の値から外れている「外れ値」となっている団体を調べるのです。もちろん、政令市や特別区のように、行財政制度が違う団体は当初から除外しますが、その他の団体は対象とします。小規模団体も豪雪地帯も、貧乏団体も富裕団体もです。すると、「交付税の歪み」が出てくるというのが、先生の主張です。
その際に「遺伝的アルゴリズム」という手法を使って、外れ値を探し出すのです。ここは難しくて、かつて先生に教えてもらった時も、十分理解できませんでした。人為でなく、機械的にシミュレーションするのです。ここが、客観的に「外れ値」を検出する核心です。
ちなみに、交付税の算定には、足し算・引き算・かけ算・割り算しか使っていないので、はるかに簡単な知識で理解できるようになっています。「一般の方でもわかるように」というのが、地方交付税の哲学です。
さて、元交付税課長としては、この外れ値を説明しなければなりません。離島や豪雪地帯では、割高になる行政コストを、算式を使って基準財政需要額に加算します。これが、外れ値になる可能性があります。港湾があるかないかなども、要因となります。
次に、ふるさと創生事業や公共事業促進のため、事業費補正を使って、各団体が発行した地方債の元利償還金の一定割合を算入しました。これは、各団体の発行額という「非客観的数値」を基礎としているので、外れ値になることが多いと思われます。ただし、これについては、2001年以降廃止縮小しました。その後、頑張る地方応援プログラムが始まっており、これは外れ値になる可能性があります。
本には、CDーROMも付いています。各団体でも、調査検証が可能です。ご関心ある方に、お勧めします。

大きな政府、小さな政府

2008年4月25日   岡本全勝
日本は先進諸国に比べ、公務員数は少なく、予算規模(国民負担)も小さいので、「小さな政府だ」といわれます。もっとも、歳出予算は結構大きく、正確には、国民負担では「小さな政府」で、歳出額では「中くらいの政府」です。
いろいろな議論がありますが、混乱しているように思います。そこで、次のように整理できるのではないかと、考えました。
1 行政機構の規模
これは、簡単には公務員数です。そして、同じ成果を出すなら、より小さい政府=効率的な政府が望ましいです。
2 政府の出力
行政機構が、どれだけの仕事をしているかです。例えば公共事業の額、社会保障の額です。社会保障を考えてもらえばわかるように、これは必ずしも、小さな政府がよいわけではありません。健康保険、介護保険、年金、生活保護が小さいほど良いとは、国民は考えないでしょう。
なお、「出力」と言ったのは、単純に「歳出額」では測れないからです。ムダな予算だと(人件費に消えたりすると)、「有効な仕事」にならないからです。「国民に届く予算額」といえるでしょう。
3 政府の守備範囲
しかし、政府の仕事は、予算だけでは測ることはできません。法令による規制が多いと、国民が政府に依存する範囲が大きくなります。これは、大きな政府です。例えば、文科省が補助金を出さなくても、小中学校を細かく規制で縛ると、大きな政府になります。もちろん、これも小さな方がよいとは限らず、必要なところは政府が責任を持つべきです。
行政の力の源泉は、人=公務員、金=予算、権限=法令です。上に述べた3つは、おおむね、これに合致します。これまでは、ヒトとカネを問題視して、比較していましたが、権限についても取り上げるべきでしょう。国にあっては、公務員数は総務省行政管理局が管理しています。予算は財務省主計局が管理しています。権限については、そのような仕組みはありません。

3度目の花見

2008年4月24日   岡本全勝

わが家の椿とプランターのチューリップは、ほぼ終わりました。今は、その横で、鉢植えの桜が咲いています。上野公園の植木市で、衝動買いしたものです。高さ20センチほど、チューリップより低いのです。ピンクの八重が満開です。キョーコさんからは、「大きくなったらどうするの」と言われていますが、その時は考えましょう。桜は虫が付くし、枝を切るとダメだし。難しいでしょうが、安かったし小さいので、ダメでもともと。桜にはかわいそうですが。
今年は、千鳥ヶ淵を初めとするソメイヨシノを楽しみ、新宿御苑で桜を見る会の八重を見、さらにわが家の小さな桜と、3回楽しんでいます。

赤字でも良い第三セクター、悪い第三セクター

2008年4月23日   岡本全勝

自治労の月刊誌「自治研」2008年3月号に、宮木康夫さんの「第三セクターの抱える財政的問題」が載っています。宮木さんは、元日本開発銀行マンで、横浜市の第三セクターである横浜新都市交通(横浜シーサイドライン)の取締役でした。第三セクター経営の専門家として、著書を出すなど活躍しておられます。
この論文では、ほとんどすべての第三セクターは、実質的な赤字である。もうかるのなら、第三セクターで行う必要はない。赤字だといって、すべての第三セクターが不健全ではない。悪い第三セクターと良い第三セクターに分けて、異なった対応をすべきであると、主張しておられます。詳しくは、論文をお読みください。