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2008.04.26
矢吹初青山学院大学教授らが、『地域間格差と地方交付税の歪み』(勁草書房、2008年4月)を出版されました。
地方交付税による財政調整の結果を各団体ごとに調べ、通常の値から外れている「外れ値」となっている団体を調べるのです。もちろん、政令市や特別区のように、行財政制度が違う団体は当初から除外しますが、その他の団体は対象とします。小規模団体も豪雪地帯も、貧乏団体も富裕団体もです。すると、「交付税の歪み」が出てくるというのが、先生の主張です。
その際に「遺伝的アルゴリズム」という手法を使って、外れ値を探し出すのです。ここは難しくて、かつて先生に教えてもらった時も、十分理解できませんでした。人為でなく、機械的にシミュレーションするのです。ここが、客観的に「外れ値」を検出する核心です。
ちなみに、交付税の算定には、足し算・引き算・かけ算・割り算しか使っていないので、はるかに簡単な知識で理解できるようになっています。「一般の方でもわかるように」というのが、地方交付税の哲学です。
さて、元交付税課長としては、この外れ値を説明しなければなりません。離島や豪雪地帯では、割高になる行政コストを、算式を使って基準財政需要額に加算します。これが、外れ値になる可能性があります。港湾があるかないかなども、要因となります。
次に、ふるさと創生事業や公共事業促進のため、事業費補正を使って、各団体が発行した地方債の元利償還金の一定割合を算入しました。これは、各団体の発行額という「非客観的数値」を基礎としているので、外れ値になることが多いと思われます。ただし、これについては、2001年以降廃止縮小しました。その後、頑張る地方応援プログラムが始まっており、これは外れ値になる可能性があります。
本には、CDーROMも付いています。各団体でも、調査検証が可能です。ご関心ある方に、お勧めします。
大きな政府、小さな政府
3度目の花見
わが家の椿とプランターのチューリップは、ほぼ終わりました。今は、その横で、鉢植えの桜が咲いています。上野公園の植木市で、衝動買いしたものです。高さ20センチほど、チューリップより低いのです。ピンクの八重が満開です。キョーコさんからは、「大きくなったらどうするの」と言われていますが、その時は考えましょう。桜は虫が付くし、枝を切るとダメだし。難しいでしょうが、安かったし小さいので、ダメでもともと。桜にはかわいそうですが。
今年は、千鳥ヶ淵を初めとするソメイヨシノを楽しみ、新宿御苑で桜を見る会の八重を見、さらにわが家の小さな桜と、3回楽しんでいます。
赤字でも良い第三セクター、悪い第三セクター
自治労の月刊誌「自治研」2008年3月号に、宮木康夫さんの「第三セクターの抱える財政的問題」が載っています。宮木さんは、元日本開発銀行マンで、横浜市の第三セクターである横浜新都市交通(横浜シーサイドライン)の取締役でした。第三セクター経営の専門家として、著書を出すなど活躍しておられます。
この論文では、ほとんどすべての第三セクターは、実質的な赤字である。もうかるのなら、第三セクターで行う必要はない。赤字だといって、すべての第三セクターが不健全ではない。悪い第三セクターと良い第三セクターに分けて、異なった対応をすべきであると、主張しておられます。詳しくは、論文をお読みください。