年別アーカイブ:2008年

異動

2008年7月4日   岡本全勝

7月4日付けで、総務省大臣官房審議官に異動しました。担当は、財政制度・財務です。自治財政局の審議官(除く公営企業)といった方が、わかりやすいですかね。
内閣府大臣官房審議官(経済社会システム担当)は、ほぼ2年間の在籍でした。経済財政諮問会議の事務方として、いろんな勉強をさせてもらいました。4人の民間委員の方にも、様々なご指導をいただきました。貴重な経験をさせてもらったことに、感謝しています。少しでもお役に立てておれば、うれしいのですが。支えてくれた同僚や部下職員にも、感謝します。
内閣官房内閣審議官の兼務で、再チャレンジ室長も務めました。これもまた、得難い経験でした。この肩書きは、引き続き付いています。
一流の官庁エコノミストに囲まれて仕事ができたので、経済でわからないことがあると、すぐに教えてもらえました。役得ですね。各省からもエースが来ているので、社会保障・公共事業など、何を聞いてもすぐに教えてもらえるのです。
この2年間は、日本の経済財政や社会と政治を勉強する、良い機会になりました。このホームページでも、違った分野の記事が増えました。現在連載中の「行政構造改革-日本の行政と官僚の未来」月刊『地方財務』(ぎょうせい)などにも、その見聞を反映させています。再チャレンジから見た行政のあり方は、文章にしました。「再チャレンジ支援施策に見る行政の変化」月刊『地方財務』(ぎょうせい)2007年8月号。
また、諮問会議の事務局であることと、官邸に近いことで、トップダウン型で仕事が進みます。各省の伝統的な、ボトムアップ型・定型的仕事の進め方ではないのです。今後、霞ヶ関でも、このような仕事の進め方が、増えるでしょう。
私のホームグラウンドは地方行政ですが、こうして離れた立場で、総務省や地方行財政を見ると、全体像がよく見えます。また、世間の人が、地方財政や総務省をどのように見ているかも、わかります。
私は、公務員は専門分野を持ちつつ、広く経験を積むべきだと考えています。その点で、「異業種交流」は、勉強になります。もちろん、親元で気心の知れた人と付き合っている方が、はるかに気が楽ですが。後輩たちも、このような経験を積んで欲しいです。省内で異動するのではなく、違った分野の行政を経験すること。そしてできれば、内閣官房や内閣府を経験することです。
さて、自治財政局には、4年半ぶりの復帰です。浦島太郎なので、勉強します。自分では、専門は地方財政と思っていたのですが、また周りの人もそう見てくれるのですが、実はそうでもないのです。富山県総務部長から戻って、これで10年になります。その間、内閣(省庁改革本部)が2年半、自治財政局(交付税課長)が3年、官房総務課長が2年半、内閣府・内閣官房が2年です。このうち地方財政は3年で、官房や内閣の方が、はるかに長いのです。
さらに副業が、東大2年、一橋大学2年、慶応大学1年半。これらも、地方財政ではないのです。最近執筆する原稿も地方財政を離れ、日本の行政になっています。仕事がそちらになったから私の問題関心が移ったのか、それとも神様が私の問題関心に沿って仕事を与えてくださっているのか。いずれにしろ、ありがたいことです。

鎌田浩毅先生TV出演

2008年7月4日   岡本全勝

科学の伝道師である鎌田浩毅先生が、7月5日(土)19:57-21:48「世界一受けたい授業 ・スペシャル」(日本テレビ系)に出演されます。映像ベスト100という2時間特集で、火山噴火の映像も選ばれ、専門家である先生が出演されます。
「今度は生徒役としてコメントします」、とのことです。

人体の驚異

2008年7月3日   岡本全勝

永田和宏『タンパク質の一生』(2008年、岩波新書)を読みました。例によって、寝る前にですが。あらためて、自然や生命の巧妙さや複雑さに、びっくりします。
人の身体を作っている細胞は、約60兆個。国家予算や地方財政規模が80兆円ですが。一つの大きさは、10~20ミクロン。一列に並べると、60万kmです。確か、東京大阪間が600kmでしたよね。ひえー。私の身体にも、あなたの身体にも、これだけの細胞が入っているのです。
その細胞一つ一つに、遺伝子情報を持ったDNAが入っています。それは46本のひもで、1個の細胞に入っているDNAをつなぎ合わせると1.8mになります。1mmの100分の1の大きさの細胞に、私の背丈ほどのDNAがつまっています。
で、一人の身体の中のDNAをつなぎ合わせると・・。電卓を出して、かけ算してください。1.8m×60兆個=1000億km。これは、太陽と地球を300往復する長さだそうです。
そして、1個の細胞に80億個のタンパク質が含まれていて、そのタンパク質は500とか1000個のアミノ酸からできていて、そのアミノ酸は・・・。
それがすごい早さで、誕生し、入れ替わり、死んでいるのです。この瞬間にもです。あとは、本をお読みください。

2008.07.03

2008年7月3日   岡本全勝

猪瀬直樹さんのHP「日本国の研究」に、坪井ゆづる朝日新聞編集委員の「分権のあしたへ」が載っています。
・・福田康夫首相は「分権は内閣の最重要課題だ」と繰り返している。6月20日金曜日に地方分権改革推進委員会の第1次勧告に基づいて、政府が取り組む分権推進要綱を決めたときも、そう言って胸を張った。だが、政府要綱の内容は迫力に欠ける。とくに霞が関の各省から自治体に権限を移す分野で、勧告からの後退が目立つ。各省が「直し」を入れ、勧告を丸めた。「勧告の方向に沿って検討」とか「平成23年度中に結論」といった「あいまい、先送り」が目立ち、なかには「農地転用問題」のように勧告文の原型をとどめていない項目もあった。最重要課題なのに、この程度か。権限や財源を維持したい官僚に比べて、政治決断を迫られる政治家の態度の煮え切らないことよ。ああ、またか。そんな感想を抱いた人が多いはずだ。分権改革がめざすのは、自治体を自立した「地方政府」にすることだ。そのためには各省の権限や財源を自治体に移さなければならない。結果として霞が関の解体につながる・・
この内容は、6月26日のメールマガジンで、配信されたものです。早く紹介しようと思っていたのですが、著作権とルールを守るため、HPに載るのを待っていました。ちなみに、すでに次号(7月3日号)が配信されていて、青山彰久読売新聞編集委員の「地方分権改革推進委員会の使命」です。ご覧になりたい方は、配信登録をしてください。なお、私は、猪瀬直樹さんの主張にすべて賛成しているわけではないことを、付記しておきます。

最先端情報の入手・会うことの重要性

2008年7月1日   岡本全勝

今日も、平野雅章『IT投資で伸びる会社、沈む会社』から。
・・技術動向に関する理解の必要性は、企業の属する産業によって違います。ハイテク企業であれば、研究所や駐在員をシリコンバレーにおき、技術者・科学者などとフォーマル・インフォーマルな情報交換を続けていくことが絶対的に重要でしょう。
通常、技術の先端的情報の微妙な部分は、学会・フォーラムやインフォーマルなミーティングなどでの技術者・科学者同士の直接接触を通じて、暗黙情報として交換されるので、これを得るためには先端技術開発の行われている地域に物理的に身を置くことが不可欠です・・(p89)。
そうなんですよね。大概の情報が、インターネットで手に入る時代になりました。ところが、人と会う重要性は、いっこうに減りません。最先端の情報で公開情報はインターネットで手に入ります。しかし、まだ公開されていない情報、それは不確定な、ものになるかどうかもわからない情報ですが、それらはインフォーマルな情報交換でしか手に入りません。これは、科学技術に限りません。
またこれとは違った場面でも、例えば人物評価が必要な場合は、会ってみないとわかりません。多くの場合、採用面接なしでは、人を採用できないのです。