政府の公益、市民の公益

19日の朝日新聞補助線に、辻陽明編集委員が「公益法人制度改革を読み解く」を書いておられました。これまでの公益法人制度は、各省が公益を認定してきました。新制度では、財団や社団は誰でも設立できるようになります。ただし、国や県の第三者機関に公益性を認定されないと、税制の優遇は受けられません。
「公益法人制度改革で問われるのは、政府の公益から市民の公益に転換するかどうかだ」
「英国オックスフォード大学で教えたラルフ・ダーレンドルフ氏は、市民の公益活動は『創意豊かで、ある程度特異な団体が乱立する創造的カオス(混沌)でなければならない』と論じた。創造的カオスとは、多様性と言い換えられるかもしれない。さまざまな市民が生き生きと多様な活動をする中から、新たな公益が生まれる。新制度でも怪しげな団体が紛れ込むのは、多様性のコストと考えるべきだろう。排除しようと規制を強めすぎると、肝心の多様性が失われる」