一橋大学での講義

2005年7月25日から28日まで、一橋大学国際・公共政策大学院で「現代行財政論」の集中講義をしました。そのレジュメを載せておきます。いずれ、「日本の行政-官僚の現在と未来」として活字にしたいと思っています。公務員改革議論の整理については、公務員改革論議をご覧下さい。
2006年度の講義は、一橋大学講義2006年度

2005年一橋大学公共政策大学院・集中講義レジュメ

「日本行政の成功と失敗」
戦後の日本は、豊かな社会を達成し、また、平等・自由・平和・安定も手に入れた。その点では、日本の政治と行政は、成功したと言えるであろう。 しかし、これだけ豊かになったのに、日本人の多くは政治と行政に不満を持ち、経済の先行きも明るくなく、社会は閉塞感に満ちている。 そして、行政改革が大きな政治課題になるほど、日本の行政は問題視されている。世界で最も有能と賞賛された日本の官僚は、今や批判の対象となった。
本講義では、日本の行政を、その出力である政策や成果という観点、その成功と失敗という観点から分析する。

大目次
第1章 日本行政の機能不全
1 問題と視角
2 戦後日本の成功
3 政治と行政の評価
第2章 行政機構と官僚制
1 日本の行政機構
2 官僚制批判
3 官僚制の限界
4 責任の所在と対応策
第3章 政治と行政
1 統治の機構
2 行政改革
3 もう一つ先の改革へ
4 政と官
5 政治の役割
第4章 地方行政と分権
1 国と地方の関係
2 分権
3 三位一体改革
第5章 転換の方向
1 成熟国家の政治と行政
2 制度と運営
3 政治にできること