カタカナ日本語、イベント

厚生労働省が、新型インフルエンザ対策として「イベントの開催に関する国民の皆様へのメッセージ」(2月20日)を出しています。
このことに、異論はありません。未知の病気に対して、十分な対応をしなければなりません。私が指摘したいのは、その際の日本語です。

なぜ、ここで「イベント」というカタカナ語を、使うのでしょうか。この場合に適合する日本語に、催し、催し物、行事があります。
「イベント」というカタカナ語は、英語のeventを想定しているのでしょう。しかし、eventには、行事という意味もありますが、出来事、事件といった意味もあります。

また、イベントというカタカナ語には、楽しみや軽い集まりという感覚があります。多数の人が集まる会合に、慰霊祭や公的な祝賀式典、起工式などがあります。このような式に、イベントという言葉を使うでしょうか。3月11日の東日本大震災の祈念式に、イベントいう表現は使いたくないです。
本文中に、「イベント等の主催者」という表現があります。ならば、催し物とか行事と書けばよいのです。

中学生はどの程度、この言葉を理解するでしょうか。国民へのお知らせには、義務教育あるいは高校程度の日本語を使うべきです。定住外国人もいます。
国の機関、官僚がこのような言葉を安易に使うことに、悲しくなります。「老人の繰り言」と、笑われるのでしょうか。

と書いていると、NHKニュースが「クラスター」という言葉を使っていました。さて、小学校や中学校の先生は、生徒にどのように説明するのでしょうか。あなたなら、どのように話しますか。