がん治療の進歩

7月12日の読売新聞解説欄、山口俊晴・がん研有明病院名誉院長の「がん医療新時代へ」が、勉強になりました。先生は、胃がん手術の第一人者です。こんなに進んだのですね。

・・・僕の専門である胃がんに関して言うと、治療法や対策はほぼ確立したね。
日本胃癌学会が2001年、治療ガイドライン(指針)を公開した。これ以降、各大学や病院が独自に行っていた治療が「均てん化」された。治療の質にばらつきがなくなったわけです。
早期がんは内視鏡や腹腔鏡による切除で根治でき、進行がんも抗がん剤の進歩で生存率が高まった。
何よりも、胃がん患者が減ってきた。上下水道の整備などで衛生状態が改善され、ピロリ菌の感染が減ったことが主な原因です。あとは、早期発見のための検診率を高めればいい。15年後の日本では、胃がんはきわめてまれな病気になっているかもしれない。

治りにくいがんは、まだたくさんあるけど、がん治療は確実に進歩している。免疫治療薬の「オプジーボ」を使うと、従来の抗がん剤が効かなかった肺がん患者が劇的に良くなるケースも出てきた・・・

・・・どんな健康的な生活を送っても、がんになる人はなります。
その場合は、「がんは老化」と理解した方がいい。75歳を過ぎてがんになったら、老化だから仕方ないと割り切って、体力や価値観に応じた治療を受ければいい・・・
この項続く