日経新聞夕刊コラム第18回

日経新聞夕刊コラム第18回「自治体と企業」が載りました。日本の行政論の第3回目です。
県庁では、企業連携の窓口を作るところが増えてきました。「福島県庁の場合」。また企業も、社会貢献の中で、地域での貢献を広げています。「三井住友海上火災保険の資料」。もちろん、連携協定を結ぶことが目的ではなく、具体の事業を実行することが重要です。
国にあっては、古くなりましたが、「官庁での官民連携」()を調べたことがあります。

官共私の三元論は、拙著『復興が日本を変える』で述べました。慶應義塾大学での公共政策論でも論じています。公共は、行政だけがつくるものではありません。また、企業やNPOは企業の委託先や下請けだけではありません。

道路は行政が作ります。税金でです。その上を走るバスは、多くの場合、民間です。料金で運営します。しかし、バスがなければ、車を持たない人や運転しない人、高齢者や学生は意味がありません。道路建設には多額の税金を投入しながら、バスや鉄道にはわずかしか公費が出されません。
提供者側の論理、これまでの行政の仕組みでは、こうなっています。移動する生活者から考えると、違ったものが見えてきます。

供給側の論理で考えるか、利用者・生活者の立場で考えるか。モノやサービスが十分でなく、それらをそろえる際には、供給側の論理が有効でした。しかし、一通りのモノとサービスがそろった段階では、利用者・生活者の立場で考えるべきです。
その一つの例は、この連載の第16回「未来との対話」で提案しました。