台頭する中国と自由主義世界

朝日新聞9月13日オピニオン欄、ジョン・アイケンベリー教授のインタビューから。
・・中国は経済、軍事両面で急速に力をつけ、アジアさらには全世界に影響を及ぼすようになっている。世界の主要国のなかで中国だけが、「対等の競争相手」として米国に挑戦する構えを見せている・・
中国はより大きな権力を追求するだろうが、既存のリベラルな国際秩序をひっくり返し、中国中心の世界を打ち立てようとはしない。中国の重商主義的な資本主義が成功するためには、グローバルな自由貿易を必要とするからだ。自由主義、民主主義を信奉する資本主義諸国は力を合わせ、経済成長や社会の進歩を図れるよう、国際的な諸組織を改善しなければならない。そうすれば中国が参加してくる動機も強くなる・・
「しかしリーマン・ショックなどを通じて自国の制度の方が優れているとの思いを深めているのでは」という問に対して。
・・だから私のこれまでの議論の多くは、自由民主主義諸国に向けられているのだ。各国は、格差の拡大、経済の停滞、財政危機、政治的な機能不全などの問題を解決しなければならない。今から20年後もまだ、自由民主主義諸国が世界政治の中心にいるか、あるいは西側諸国に対する中国の影響力が一層強くなっているかは、民主主義国、非民主主義国のどちらがより効率的に社会、経済問題を解決し、より魅力的なモデルを提示できるかにかかっている・・
アイケンベリー教授の主張は、何度か紹介しています。「アメリカが広めたもの・資本主義経済、自由主義、多国間統治」(2012年8月11日)、「勢力均衡や覇権主義でない国際秩序」(2012年10月2日)をご覧ください。