今日(日曜日)は、大臣のお供をして、岩手県釜石市、大船渡市、陸前高田市に行ってきました。今日を有効に使おうと、前泊しました。昨日(土曜日)の昼過ぎに東京を出発し、新幹線で3時間かけて新花巻駅まで。そこからバスで2時間かけて、釜石に着きました。家からだと、約6時間です。
3市とも、着実に事業が進んでいます。市長さんたちは、「これまでは、仕込みの時期だった。これからは次々と、工事が目に見えますよ」と、おっしゃっています。釜石では、公営住宅が立ち上がっていました。大船渡では、魚の水揚げがほぼ震災前に復旧し、サンマの水揚げは全国2位になりました。陸前高田市でも、市役所の仮庁舎の西側の山が切り崩され、造成が進んでいました。
仮設の商店街(国が作って、市が被災した事業者に貸し出しています)や、仮設住宅団地に併設されたサポートセンターも見てきました。インフラ復旧だけでなく、暮らしの再建には、住宅、生業、そしてケアが重要です。これらに力を入れていることが、今回の復興施策の特徴です。
天気はよかったのですが、風は冷たかったです。夕方に陸前高田市を出発し、ほぼ同じ時間をかけて、家に帰ってきました。
投稿者アーカイブ:岡本全勝
自殺者減少
1月18日付の各紙が、2012年の年間の自殺者が3万人を下回ったことを、伝えていました。2011年に比べ、約9%の減少です。1998年に3万人を超えてからなので、14年間3万人を超えていました。このHPでも、毎年、紹介していました。まだまだ、多いことに変わりはありません。自殺は理由が単純ではなく、対策は難しいです。そして、お金とブルドーザーがあればできるものではありません。人と人とのつながりであり、継続した関わりが必要です。
自殺は、社会の状況を反映した指標です。結婚しない人や子どもを作らない人が増えていることも、若者が社会に対する信頼を失っているからだと思います。どのような社会を作るか。私たちの努力が、問われています。
身の回りの高齢化
今日は放課後に、会合に行ってきました。20年間続いている、同業他社との会合です。私と同年代+10歳年上の方々です。ほぼ退職しておられます。話の内容は、改めて衝撃的?でした。
暇になったから、この会をもっと頻繁に開け。補聴器をつけた。目が見えにくくなった。17年連れ添った柴犬の介護に、3か月かけた。犬のオムツが大変だった。子どもが結婚して出て行ったら、毎日奥さんと2人で顔を合わせて、大変だ。ここまでは、半分笑えます。
多くの人が、両親または義父母と同居したり、介護をしています。故郷から両親を引き取ったら、急にボケが始まった。親が、近所で迷子になった。飲ませる薬が多くて大変だ。兄弟で、費用と役割を分担しているなどなど。お互いの苦労の「自慢話」です。高齢社会が、実感できます。ほとんどの人が、まだ60歳前後なのですが。
目は口よりも、ものを言う
昨日の「社会脳」、相手の心を読むにはアイコンタクトが重要だ、という話の続きです。
「目は口ほどに、ものを言う」という、ことわざがあります。私は、「目は口よりも、ものを言う」だと、思っています。次のような場面を、想定してください。
場面1。あなたが、部下や子どもに、お小言を言います。相手は「申し訳ありません。私が悪かったです」と言いながら、視線はあなたではなく、空を見ている場合。「こいつ、本気には反省していないな」と思うでしょう。言葉より、目の方が、本心を表しているのです。
場面2。あなたが失敗をして、母親か奥さんを怒らせてしまいます。その際に、お母さんや奥さんが「良いわよ、こんなことは許してあげるから」と言いながら、目はつり上がり、目の中には炎が燃え上がっている場合。「許してもらえた」と思いますか(リアルですねえ・・。苦笑)。
人の脳は、男性で平均1.4キログラム、女性で1.3キログラム。体重の約2%しかないのに、体全体が使うエネルギーの20%を使っているのだそうです(『社会脳の発達』p20)。道理で、学生の時に勉強すると、おなかが減りました。
社会人になると、人と話す場合が、最も疲れます。私の場合は、授業や講演会もヘトヘトになりますが、気を遣う人との会話が最も緊張し、疲れます。同じ一対一でも、気心の知れた人とは、それほどは疲れませんが。相手の発言と顔色に全神経を集中し、相づちを打ち、話題を発展させと、気を遣いますよね。横で聞いている人は、「全勝さんは、無神経によくあんな発言をしますね」とあきれますが、これでも、結構気を遣っているのです。
その際に、相手の視線と顔色をうかがい、心を読むとともに、時機を失せずに言葉を継ぐことも重要です。相手が、「私の言っていることが正しいだろう」とか「私は美人」と発言した際に、「おっしゃるとおり」または「御意」という言葉を、間髪入れずに返すかどうかです。返事が、0.5秒遅れたら・・・。
相手との関係を作る脳の力
千住淳著『社会脳の発達』(2012年、東大出版会)を読みました。出張の新幹線と宿は、本を読むにはありがたい時間です。
ヒトは、他人がいなければ生きていけない動物です。「社会」がなければ生活できない動物です。その社会行動を、脳神経から研究するのが、社会脳研究、ソーシャル・ブレインズ研究です。
他人と共生する際に必要な能力、それは相手の心を読むことだそうです。相手が何を考えていて、何をするのかを予測します。なるほど。
その際には、アイ・コンタクトや相手の視線がどこを向くかを読むことが、重要であること、自閉症者は相手の心を読むことが不得手であることなどが、実験によって示されています。いくつもなるほどと思うとともに、まだまだわからないことが多いこともわかります。
普段の生活でも、相手の心を読むことは重要ですよね。その先を読んで、当方の次の発言や行動を考えます。それが、円滑な会話や良好な関係を生みます。もっとも、間違った先読みをして、失敗することも多いですが。
かつて読んだ、藤井直敬著『ソーシャルブレインズ』(2010年、講談社現代新書)を思い出しました。手元のメモには、次のようなくだりが、書き留めてあります。
喜びも、他者との関係性の中で感じるもので、モノによって感じるものではない。
赤ちゃんは、他者との関係性がないと死ぬ場合がある。
意思決定とは、たくさんの可能性を絞り込むプロセス。ルールは、社会からトップダウン的に与えられるだけではなく、各個人がそれを受け入れ、咀嚼して脳内に取り込むことで成り立っている。
ルールは、社会というシステムとその構成要素である私たちの間で起きる相互作用によって維持、実行されている。各人が、ルールを受け入れる理由は、認知コストを少なくできるから。無限の可能性から選ぶというコストを、選択肢を狭めることで、少なくする。そしてそれは、社会の安定性を増す。
今回この記事を書くに当たって、確認しようとしたら、本が見当たりません。本棚にないということは、床に積み上げた山の中に埋もれているということでしょう。捜索は断念しました(反省)。