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新年のご挨拶

あけまして、おめでとうございます。
皆様、良いお正月をお迎えのことと、存じます。
わが家も家族そろって、元気に新年を迎えることができました。おせち料理のほかに、私の誕生祝いの鯛をいただき、届いた年賀状の整理をして、初詣に行ってきました。
今年が、良い年でありますように。

明るい日本に、誰がするのか

ところで、マスコミや識者が、しきりに「日本は暗い」「先行きが見えない」とおっしゃいます。近年の、はやり言葉です。しかし、私は、これが日本を暗くしている原因の一つだと、考えています。
もちろん、社会や政治の問題を指摘するのが、その人たちの仕事です。でも、悲観的なことばかりを言っていても、事態は好転しません。そして、良い面を取り上げずに、バランスを欠いた問題指摘は、国民に間違ったメッセージを送ります。
日本の経済が停滞していることは、事実です。しかし、世界第2位の経済力を持ち、中国に抜かれても第3位です。一人当たりGDPはかつての第2位から低下しましたが、なお19位です。他国と比較するなら、日本のどこが優れていて、どこが劣っているのか、そして何をすべきかを議論すべきでしょう。
現在の日本の不況は、外需とともに、内需の弱さによります。国民が多くの金融資産を持ちながら、消費をしないのです。それは、先行きが不透明と思っているからでしょう。悲観論は、それを、ことさらにあおっているのです。
自由、平等、安全、健康長寿、清潔、便利さ、社会資本、努力が報われるといった面で、日本は世界最高水準の国です。もちろん理想と比べれば、足らないところもあります。でも、そんなにだめな国なのでしょうか、日本は。
つい10数年前まで、ナンバーワンの国と自信を持ちながら、突然真っ暗かのようなことをいう。日本人も日本社会も、その間に、突然変異などしていません。自虐的な評論の方を、疑うべきです。
子育てをする時に、子どもの欠点ばかりを指摘するのが、良い子育てでしょうか。欠点は指摘しつつも、長所を褒める。褒めることが、子育てや部下育てのコツでしょう。
昨日の大晦日、久しぶりに、NHKテレビの「紅白歌合戦」を見ました。ごらんになった方も多いと思います。若い歌手の元気な歌と踊りを、どう思われましたか。
日本は、まだまだ捨てたものではありません。「今どきの若い者は・・」という言葉より、「いつも評論家は・・」という言葉の方が、当たっているかもしれません。批判と欠点の指摘ばかりを繰り返し、悲観論をまき散らす評論家は、やめにしませんか。
コップの水を見て、「もう半分しかない」とみるのか、「まだ半分ある」とみるのか、という議論があります。前者は、財産を食いつぶしつつある2代目の繰り言であり、後者は、次なる挑戦をしようとする前向きの姿勢でしょう。
悲観論だけでは、何も生みません。もちろん、裏付けのない楽観論も、空虚です。「悲観主義は気分のものであり、楽観主義は意志のものである」は、フランスの哲学者アランの言葉だそうです。

年末のご挨拶

今日は大晦日、平成21年も終わりです。皆さんにとって、今年は、どのような年だったでしょうか。
私は、9月に総理秘書官をやめ、総務省に復帰、消防大学校長になりました。この間、多くの方にお世話になったことを、改めて感謝します。
何人もの方から、「仕事が大きく変わり、大変でしょう」と、声をかけていただきます。でも、公務員という中での「転勤」です。そんなにびっくりするような、変化ではありません。それぞれの場所で、日本を良くするために、頑張ります。
秘書官をやめた後、いろんな方が、訪ねてきてくださったり、慰労会をしてくださいました。これまで、たくさんの人と知り合いになったことを、改めて認識しました。31年間の公務員生活で、いろいろな場所を経験させてもらったことを、感謝しなければなりません。私のような仕事は、一人ではできないのです。多くの方を知っていることは、年賀状の枚数と同じく、私の財産です。
変化といえば、時間に余裕ができました。読みたかった本も、読む時間ができました。もっとも、次々と関心が広がるので、新しい本を買い込んでは、積ん読状態です(いつもながらの反省)。
家族も、この一年、元気に過ごすことができました。
皆さんも、良いお年をお迎えください。

人口減少時代の自治体

矢作弘著『「都市縮小」の時代』(2009年、角川oneテーマ21新書)が、興味深かったです。人口減少に直面した都市が、どのような対策を打っているか。欧米と日本の代表的な都市を、取り上げています。本書にも書かれているように、これまでの各市の「総合計画」は、将来推計人口が増えるという前提・願望で作られていました。しかし、ほとんどの都市で、それが裏切られたことも事実です。山村や離島での過疎と産炭地域の衰退などは早くから政治課題になり、特別立法が作られました。しかし、それ以外の地域でも、基幹産業の退出などで、人口が減った都市はいくつもあります。さらに、東京一極集中が、地方都市を空洞化しています。そして、日本全体の人口減少が、全国を覆います。一部の都市の問題ではないのです。
私もこの問題が、地域政策の重要問題だと、関心を持っていました。拙著「新地方自治入門」でも、中心市街地の空洞化やニュータウンの衰退など、人口減少の問題を指摘しました。また、どうしてイタリアやフランスの片田舎で、満足して暮らせるのかも、問題提起しました。しかし、それ以上の議論は、できませんでした。地方に講演に行くたびに、その街の衰退を聞かされ、悩んでいました。十分な議論ができないのですが、いくつか論点を、羅列しておきます。
1 市役所も街のリーダーたちも、引き続き工場が来て人口が増える夢を追い求めたこと。1980年代までは、多くの地方で企業誘致による産業振興が成功しました。だから、その夢を追い続けたのです。
2 しかし、アジア各国が成長し、加工組立型工場は海外に逃げ、従来型の工場誘致は困難になりました。そして、それに代わる新たな産業振興モデルを、政治も行政も経済界も、提示することができませんでした。
3 農業では、従来のような、小規模米作では所得は増えない。そのことは早くから指摘されていながら、大規模化などが進みませんでした。
4 住宅開発、商業施設や公共施設の郊外立地が、都市を寂れさせることに気づきながら、止めることができなかった。学校や老人施設、公共ホールが、郊外に立地したことは、残念なことでした。
今ようやく、コンパクトシティを目指す動きが出てました。
この問題の基本は、その地域が何で食っていくか(人を養うか)という産業論と、もし雇用と所得が増えないとするならば、それを前提としてどのようなまちづくりをするのか、だと思います。
もちろん、これは、それぞれの地域が、取り組むべき課題です。しかし、国としてどう対処するかも課題です。特に産業論は、国の役割が大きいです。かつて国土庁に、地方振興局がありました。省庁再編で分割され、そのような局はなくなりました。また、総務省(旧自治省)には、古くから地域政策を担う課はあったのですが、地域経済局(課)はありませんでした。経済産業省には、地域経済産業グループ(審議官)があります。

年賀状投函

万歳!
今日、残っていた150枚の添え書きを書き上げ、年賀状をすべて投函しました。昨年は忙しくて、印刷しながら、出さずじまい。2年前の日記を見ると、28日に投函しています。
毎年、このページで、「年末恒例の苦しみ」と書いています(笑い)。でも、これまでにお世話になった方々の顔を思い浮かべると、「やはり出そう」と思うのですよね。特に、若い時にお世話になった方の多くは退職しておられ、また県庁勤務の時にお世話になった方々は、年賀状しかご挨拶していません。
ワープロで印刷すれば早いのでしょうが、それでは意を尽くせないと思い、下手な字で、表書きと添え書きを書いています。郵便番号が7ケタになり、住所は町名から書けばすむのですが、それも何かすわりが悪くて。いつまで続くか、自信がありません。
問題は、お世話になった人が増えて、手書きでは、ほぼ限界に来ていることです。今年は、900枚で勘弁してもらいました。今年は、官邸勤務で出さなければならない人が増え、例年より、100枚増やしました。毎年、年賀状をいただいていながら、出していない人も多く、申し訳ありません。