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国会担当同窓会

今日の放課後は、かつての総務省総務課(国会担当)の有志との懇談会でした(2004年2月24日27日の記事)
「当時の岡本課長と福本国会連絡室長を慰労する会」ではなく、「当時、その二人に仕えて、苦労した職員を慰労する会」でした(笑い)。
国会担当は、独特の専門技能です。偏差値がいくら高くてもダメで、経験がものを言います。必要なのは、軽い足腰(素早く走り回ること)と、重い頭(すぐに頭を下げること)です。当時の職員の何人かは、やはり同じ仕事をしています。彼らと彼女たちが、それだけ有能なのだと、感謝しています。

内弁慶の旧軍、官僚

「国内で威張っている」ことと「世界での評価」のズレを書いていて、思い出しました。先日紹介した、ハンチントン著『国家と軍人』です(9月26日の記事)。
そこでは、旧日本軍の軍人の特徴として、物質的要素がきわめて低く評価され、その代わりに精神的要素が決定的な意味を持っていたことが指摘されています(p127)。これは、通説になっています。私が考え込んだのは、次のような指摘です。
・・知性の低下と精神の高揚は、日本で職業軍人の著述の著しい欠如という結果をもたらした。1905年から1945年まで、日本は、強大な海軍力を持っていたが、海軍力の本質とその行使についての重要な理論を定式化した評論家は、日本には一人もいなかった。第二次世界大戦以前におけるこの問題についての日本人の著作は、人気取りのものか、極めて初歩的なものかのどちらかであった。学問的な分析はみられなかった。同じことは、陸上作戦についても当てはまる・・(p128)。
世界一の行政サービス水準を達成した後の、日本の官僚にも当てはまるかもしれません。日本の官僚機構は、「日本で最高のシンクタンク」と、高く評価されていました。しかし、各省の組織がどれくらい政策を提言し、官僚が個人として政策を提言しているでしょうか。
また国際的には、例えば発展途上国に対し、どれくらい知識を輸出することでそれらの国の近代化に貢献したでしょうか。我が身を振り返り、反省。
「海外協力庁」をつくって、制度や経験を「輸出」すれば良かったですね。モノの輸出やお金の支援以上に。後発国に比べ先に発展した日本の経験は、後発国にとって良いお手本(良い面も悪い面も)になると思います。日本が、法制度を輸入しながら輸出には熱心でなかったことについては、「2011年10月19日」の記述を見てください。

会社員の技能を活かした復興支援

10月21日の日経新聞「春秋」に、被災地に派遣された社員が、自分の持っている技能で、現地の悩みを解決している話が紹介されていました。
・・佐々木さんが属する看護師のボランティア団体「キャンナス」にこの夏、大手損害保険会社が社会貢献活動として送り込んだ若手社員たちだ。お年寄りの悩み事などをパソコンで記録できるようにしてもらった。これで集計も簡単にできる。機器の使い方も習った。社員にとっては、日々の仕事である保険事務の応用だ。
市に提出した報告や提案書に、グラフ化したデータや実例集は、さっそく威力を発揮した。「企業の力ってすごいな、と思った」と佐々木さん・・
これは、NPO法人ETICが、企業と協力して、被災地に社員を派遣する試みです。仕組みは、「みちのく復興事業パートナーズ」をご覧ください。こんな支援もあるのですね。

復旧の際の宗教施設

10月23日の産経新聞に、東日本大震災で被災した神社が、神社本庁の支援で再建されることが、載っていました。岩手、宮城、福島3県で、社殿209棟が流失・全半壊したそうです。年内に9社を再建するとのことです。
地方では、神社がお祭りの舞台になり、伝統行事や伝統芸能を伝えています。氏子である住民の、つながりの場にもなっています。
多くの場合、宗教と言うより、習俗に近いと思うのですが。憲法の定めによって、公金で再建を支援することが出来ません。
復旧現場では、このほかに、お寺の再建や、墓地の修復や移転が、課題になっています。氏子や檀家も、その負担をするだけの資力がありません。お墓は、それぞれの人にとって、かけがえのないものですが。
公共墓地なら、自治体が復旧します。文化財なら、支援する仕組みもあります。

夜が3つほしい

今日、帰りの地下鉄の中で、「夜が、3つあったら良いなあ」と、思いました。「体が3つあったらなあ」という意味です。
一つ目の夜(体)は、おつきあいで懇親会に行きます。2つ目の夜(体)は、家で少し硬めの本を読んだり、原稿を書きます。三つ目の夜(体)は、家でくつろいで、キョーコさんの料理で日本酒を楽しみます。
でも、1日は24時間、体は一つしかありません。若いときは睡眠時間を削って、自分の時間を作ったのですが。この年になると、体力が持ちません。さらに交友が広がって、若いときより会合のお誘いが増えています。困ったものです。
買った本は読まないままにほこりをかぶり、原稿は先送りになります。反省。
ゲーテは臨終の床で、「もっと光を」と言ったそうですが、私の場合は「もっと時間を」ですね。もっとも、私の愚痴をゲーテが聞いたら、「もっと努力を」と怒るでしょう(笑い)。