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多様な主体による復興支援

復興の現場は被災地であり、主役は被災地の住民や企業です。それを政府(国、県、市町村)が支援します。そのほかに、多様な主体が、関わってくれます。地域コミュニティ、NPOとボランティア、民間企業です。復興庁では、当初から、NPOや企業と連携して復興を支援するように努めてきました。
今日、若手職員と議論して、頭の整理をしました。それらを、どのように政策体系として整理するかです。
多様な主体による復興支援には、次のようなものがあります。
1 それぞれの主体が、自主的に行ってくれるもの。企業の被災地での投資や、NPOの活躍など。
2 それら主体の活動を、政府が支援するもの。補助金であったり、情報提供です。
3 それら主体間の連携を促進するもの。企業のマッチングや、NPOと地域とのつなぎです。
このような視点で、政府以外による復興支援を整理してみようと考えています。
その手始めとして、2月に公表した「地域の取り組み事例」を、「住民一人ひとりが連携し、相互支援・まちづくり・生業・原災復興などに向けた取り組み」と位置づけ、目次を整理して、HPに再掲しました。ありがとう、A君。

愉快な職員たち

今日の放課後、職員たちの懇親会がありました。あるチームの大きな仕事が片付いたので、打ち上げと称して、有志が企画しました。その仕事に関係ない職員にも声をかけて、大きなパーティになりました。
まず、チラシです。先日、私のところに持ってきた参加者募集のためのチラシは、傑作でした。「写真は参考イメージです」と書いてあるのですが、そこについている写真は、豪華な旅行やイベントの写真を流用しています。「これは、不当景品防止法に引っかかるのではないか」と、注意するほどでした(笑い)。
次に、前売り券です。紙幣をまねて、透かしと見まがうような肖像も入っていました。誰の写真だったかは、不愉快なので書きません(苦笑)。前売り券は、90枚を売ったそうです。当日も同じ値段だということに、疑問もありますが。
さて、今日のパーティです。既に異動したOBまで参加して、大賑わい。景品が当たる余興で盛り上がっている最中に、「岡本統括官2」が登場しました。私の実物大の顔写真を、お面にしてつけています。さらに、帽子までかぶっています(後で聞くと、100円ショップで買ったそうです。道理で、安物でした)。そして、私の物まねをするのです。
「決裁文書は、ひもかホッチキスで綴じろ」「30%のできでよいから、早く持ってこい」「こんな文章、誰が読んでもわからへん」「これじゃダメ。アウト」と・・。おなかを抱えて笑いました。涙を拭いていると、「岡本統括官3」が出てきて・・。
とんでもない職員たちです。官房長職にある統括官を、ダシにするとは!
復興庁は、各省、自治体、民間企業から出向してきた職員の寄せ集め部隊です。本庁で職員数200人、参事官が27人いて、それだけの班があります。フロアも3つに分かれています。お互いが、知らない職員同士です。仕事も、前例のない難しい仕事です。
このようにして、一緒に盛り上がってくれることは、うれしいです。私も20代の頃、職員旅行や打ち上げの宴会で、下手な出し物や芸を披露していたことを思い出しました。局長や課長が、怒りながら笑っていたことも。
さらに、職場の風通しがよくなるでしょう。少々、いえとんでもなく「笑いのネタ」にされても、許しましょう。とは言いつつ、N君、Y君、特技があることはわかったので、「ご褒美」として、明日からはもっと難しい仕事をあげるから・・。

NPOが活用できる予算

平成25年度予算が成立したので、「NPO等が活用可能な政府の財政支援について」を更新しました。関係者の方は、ご活用ください。もっとも、ここに掲げた支援策は、NPOが直接利用できるものばかりではありません。県や市町村を通じて支援するものもあります。また、NPOが活躍する場は被災地の現場であって、国の制度では一定の限界があります。
県や市町村が、このようなページを作って、NPOに便宜を図ってくれるとよいのですが。よい制度があっても、使う人たちに伝わらないと、意味がありません。

世論支持率の不確かさ

5月20日の日経新聞夕刊に、「ブッシュ前政権、割れる評価」が載っていました。ブッシュ前大統領は、政権末期の支持率は2割台でした。イラク戦争の理由とした大量破壊兵器が見つからなかったこと、大型ハリケーン「カトリーナ」への対応のまずさ、金融危機での企業救済に対し、批判が多かったのです。
ところが、今年4月のワシントン・ポスト紙の調査では、支持率は47%で、5割台のオバマ大統領とほぼ同水準になっているそうです。
日本でも、毎月、マスメディアによる内閣支持率が発表されます。あの数字が、何を意味するのか。かつて、薬師寺克行・元朝日新聞政治部長の「世論調査政治の落とし穴」(2012年10月28日の記事)を紹介しました。
ブッシュ大統領記念図書館が、今月からテキサス州で公開されました。そこには、最も論争となった4つの政策決定(イラク戦争、金融危機対応など)に焦点を当てて、来館者が大統領の立場になって、さまざまな選択肢の中から政策決定を追体験できる展示があるそうです。これは、興味深い試みです。
世界金融危機に対処するため、2008年11月に、主要国首脳がワシントンに集まりました。1929年の大恐慌を繰り返さないため、各国が協調して事に当たろうという趣旨です。日本が先駆けて財政出動などを決め、世界各国に訴えました。中国も協調し各国の財政出動や、「囲い込み」をしないことなどで、危機は回避されました(総理記者会見時に、国際金融対策は、官邸の記者さんたちには理解されなかったようでした。質疑応答を読んでください)。
なお、この展示の「Decision Points Theater」は、ブッシュ大統領の回想録『決断の時 Decision Points』の表題と同じようです。