難しい体操2

難しい体操」の、後日談です。この記事を読んだ知人から、次のような反応がありました。

・・・私は休みの日は6時25分からの放送で体操しています。
アレは体の体操ではありません。頭の体操です。「楽しみながらやりましょう!」って言いますが、ちっとも楽しくありません。
「間違っても構いません」って言われると、余計に間違わないようにしようとして間違えます。適当に流すことにしています。
しかし、ラジオ体操は非常によくできた全身運動で、火曜日のテレビ体操は「ラジオ体操の日」で第1体操と第2体操を続けてやりますが、真面目にやると汗をかきますね。
それにしても、フルートで3拍子の曲を4拍子で吹くとは、なかなかの技ですね・・・

転勤制度の見直し

9月29日の読売新聞に「転勤制度 悩む金融界 働き方多様化で抵抗感」が解説されていました。

・・・金融界で転勤制度を見直す動きが広がっている。三菱UFJ信託銀行は10月から、みずほ銀行は来春から、それぞれ転勤者への手当や一時金を大幅に積み増す。転勤に抵抗感を持つ人が増える中、人材の獲得や定着を図る狙いだが、抜本的な解決策はなく、全国で事業展開する企業の悩みの種となっている・・・

共働き世帯の増加に加え、子育てや介護への意識の高まりで転勤できない事情や、転勤への抵抗感から入社を見送ったり、離職したりするケースがあることも指摘されています。他方で、金融機関の特殊性もあります。
・・・銀行は、預金や融資、金融商品の販売を手がけ、法人、個人の顧客との関係が深まる。長い付き合いが高じて、行き過ぎた営業や個人的な不適切な取引に発展しないとも限らない。異動させることで他人の目を入れて不正を発見しやすい環境を作ってきた。金融庁もかつて営業担当者を中心に定期的な異動を求めていた。保険業界も同様だ・・・

・・・日本では、長らく終身雇用を前提とした採用が続いてきた。正規社員として給与や福利厚生を受けられる安定した地位を与える一方で、転勤を含む配属といった人事権は企業側が握る構図があった。働き方改革の流れやIT系企業などの新興企業の増加で、大企業の社員でも転職者が多くなり、人事を巡る労使関係は変わろうとしている・・・

欧米では、どうしているのでしょうね。希望者を募り、それに見合う処遇をしていると想像します。

本家の再活用5

本家の再活用4」の続きです。明日香村商工会の紹介映像「岡本邸プロジェクト Vol.6特殊伐採前編」に続き、「特殊伐採後編Vol.7」が、公開されていました。

この樹木というか森は、屋敷の西側、飛鳥川沿いの斜面と低地にありました。現在川沿いの道路になっている場所も森で、川に面していました。「この地図・グーグル地図にリンク」では、赤い印が本家の母屋、左(西側)に信号がありますが、この信号との間が、今回伐採された木です。

屋敷からは一段低く、さらに下がって川になっています。対岸は崖になっていて、城になぞらえると飛鳥川が堀で、外から人が来ることはできませんでした。その状態なら森の中で、問題なく切り倒せたのですが。
子どもの私たちには、森と川は格好の隠れ家、遊び場所でした。タケノコも掘りました。川には小さな魚がたくさんいて、夏には蛍が飛び交いました。飛鳥川と呼ばず、大川と呼んでいました。

私が中学の頃に、村の中心部の交通渋滞を緩和するために、そこを埋め立て、高い護岸を作って道路を通しました(地図では155号線と表示されています)。交通は良くなったのですが、風情がなくなりました。
大学教養学部で万葉集の授業を受けた際に、稲岡耕二先生とその話になり、「もったいないことをしましたねえ」とおっしゃったことを覚えています。

門の前の東西方向の道路(本家の100メートル東にある村の中心の十字路から来て、飛鳥川に出る道路)は、そのまま飛鳥川に沿って進み、橘寺の近くで川を渡りました。地図では「万葉歌碑」の印がある細い道です。車一台が通れる道ですが、これが飛鳥時代からの幹線道路でした。
木の橋が架かっていたあたりが、川幅が狭く、かつ地盤が良かった(岩です)ので、適地だったのでしょう。その橋の下で、夏は泳ぎました。今も、橋の前後はその道路が残っています。次の橋は、かなり下流に行かないと架かっていません。
橿原方面(近鉄岡寺駅)から村へと向かってくる道路は、今は、その橋の北側の高市橋で川を渡り、先日まで使われていた村役場の前を通ります。しかし、この道路は比較的新しい道路で、私が子どもの頃は「新道」と呼んでいました。

通じない新語をつくる

このホームページで、しばしば取り上げている、カタカナ語、アルファベット略語の批判です。新しいカタカナ言葉やアルファベット略語をつくるのは、言葉をわかりにくくするという意識も働いているようです。

先日、日本糖尿病協会などが、糖尿病の名称をダイアベティスに変える案を検討しているとの報道がありました。例えば、9月21日の読売新聞「糖尿病=ダイアベティス 新呼称案近く公表へ 連想しづらく普及課題」。ダイアベティスは、糖尿病の英語だそうです。
糖尿病という病名を嫌がる患者の声に応えるためだそうです。わかりにくくするという意図があるのでしょうが、日本語にしようとする努力はないのでしょうか。
痴呆性は認知症に、精神分裂病は統合失調症に変更しましたよね。

9月29日に文化庁が、国語世論調査を発表しました。アルファベット略語についての質問もあります。
問7:質問 あなたは、ふだん、見聞きする言葉の中で、外国語の頭文字などを使ったいわゆるアルファベットの略語(例:AED、SNS、DX等)の意味が分からずに困ることがありますか。それとも、ありませんか。 (一つ回答)
問7:全体の結果・年齢別の結果 「よくある」(31.4%)と「時々ある」(53.7%)を合わせた「ある(計)」の割合が85.1%、「全くない」(1.9%)と「余りない」(12.0%)を合わせた「ない(計)」が13.9%となっている。 また、「ある(計)」の割合を年齢別に見ると、おおむね年齢が上がるに従って、割合が高くなる傾向にある。

問8付問2:質問 (問8で「どちらかと言うと好ましくないと感じる」、「好ましくないと感じる」と答えた人(全体の54.3%)に対して) 好ましくないと感じるのは、どのような理由からですか。 (幾つでも回答)
問8付問2:全体の結果 「意味が分かりにくいから」を選択した人の割合が94.2%と最も高く、次いで「見慣れない言葉だから」(31.1%)、「漢字や仮名の言葉を使った方がいいから」(29.5%)が約3割となっている。

9月30日の朝日新聞「「推し」「盛る」「引く」 世代超え定着、新しい表現は―― 国語世論調査」は、次のように書いています。
・・・AEDは自動体外式除細動器、SNSはソーシャル・ネットワーキング・サービス、DXはデジタルトランスフォーメーションを意味する。文化庁の今村聡子国語課長は今回の調査結果について、「意味を伝え共有するという言葉の機能が十分に果たせていない、と受け手が感じてしまっている」と指摘。調査の担当者も「相手に伝わるかどうかが大切。公用文などでは今後留意していくべきだ」と話した・・・

参考「頭は類推する。カタカナ語批判。1

連載「公共を創る」第165回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第165回「政府の役割の再定義ー組織の目標と幹部の役割」が、発行されました。
行政組織において、どのようにしたら政策や業務の見直しが進むかを議論しています。今回は組織の目標という観点から考えてみます。
業務の見直しを進めるには、上司が部下にその目標を示すことが重要でした。それに対して、政策の見直しを進めるために、組織の目標はどのように設定されているかです。

各課の目標はどのようにして設定されるのでしょうか。その目標は、課長が部下に与える目標の出発点であるはずです。まず課の目標があり、それを分配したものが各職員の目標になっているはずです。
ところが現状では、国では府省の任務と各局・課の所掌事務は明示されているのですが、それらの組織が達成すべき目標、すなわち整理すべき課題と解決の方向は記されていません。

組織の目標には「所管している制度の運用」「所管行政に関する課題への対応」という二つの軸があるのだと思います。
一般化すれば、前者の既存制度の運営は、課長以下の職員が主に担うことであり、省の幹部である局長が細かいところまで関与する必要はないでしょう。
それよりも局長が力を割くべき主たる役割は、社会全体を見渡しながら、その中で自らの所管行政に関する課題を発見し、その解決を組織の目標の中に組み込むことです。
この点が、まだ十分に理解されていないようです。