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大臣等規範

今日、平沢総務大臣政務官が、「大臣等規範」に違反したとして、麻生大臣に辞表を提出しました。この規範は、平成13年1月6日に閣議決定された、大臣・副大臣・大臣政務官の服務規律です。今回問題になった国内外の旅行については、その1(9)に定められています。
新聞なども書かないので知られていませんが、政治家が大臣等に就任したときに渡される規範です。拙著「省庁改革の現場から」p202に書いてあります。制定された日付は、あの省庁改革の日です。その趣旨は「政治家であって国務大臣等の公職にある者としての清廉さを保持し、国民の信頼を確保するとともに、政治的中立を確保すること」です(出張の許可より、この方が重要なんです)。
書物としては、たぶん私の本にしか出てこないのではないのでしょうか。新聞記者もあまり知らないと思います。日本政治に関する系統だった教育を受けていないようですし、1年で異動することが多い記者に、期待する方が無理ですか。「番記者」として政治家を追いかけるより、もっとすべきことがあると思います。(拙著「新地方自治入門」p312)。

法律ができるまで3

参議院
予算と交付税法等は参議院に送られました。8日は決算委員会が開かれ、9日から予算委員会が始まりました。11日は、予算委員会の合間を縫って、昼休みに参議院総務委員会では「大臣所信」を読みました。12日には、参議院本会議で交付税法等趣旨説明と質疑が行われました。
国会での麻生総務大臣
参議院予算委員会で、パネルを使って三位一体改革の影響を説明する大臣。閣僚達も身を乗り出して・・。産経新聞3月10日より。写真提供は産経新聞(3月10日)
16日は、参議院総務委員会で「大臣所信」に対する質疑が行われました。同時に開かれた参議院予算委員会での質問には、副大臣が出席して答弁しました。日程が詰まってきて、大変です。
18日は、参議院総務委員会で地方交付税法等の質疑が行われました。7時間で、質疑終局まで行きました。採決は後日行われます。19日には、参議院本会議で「義務教育費国庫負担法」の質疑が行われ、総務大臣もその在り方について答弁しました。
法律の成立(3月26日)
26日に、参議院予算委員会で予算が採決された後、総務委員会で地方交付税法など地方税財政関連法案が採決されました。併せて、「地方税財政基盤強化に関する決議」もされました。その後、それぞれ本会議で採決されました。麻生総務大臣は、小泉総理と一緒に、参議院内の各会派に、お礼の挨拶回りをされました。これで、地方団体は安心して、新年度の予算を執行できることになります。関係者のみなさん、ありがとうございました。
総務省としては、この他に、合併3法案・消防法改正・電波法改正などが残っています。また、今国会の重要法案である国民保護法案も、当省の役割が大きく、与野党の対決法案である年金改革についても、地方公務員共済法改正が当省の所管です。6月の会期末までに、これらを成立させるべく、引き続き汗をかきます。
その他の法案
2004年3月中:予算関連・日切れ法案
3月11日は、昼休みに、衆議院総務委員会でも、「成田空港周辺整備財政特例法」の提案理由を読みました。16日に、「成田空港周辺整備財政特例法」の質疑・採決が行われました。
18日に、衆議院本会議で成田財特法が可決され、参議院に送られました。衆議院総務委員会では、NHK予算が審議されました。この日は午後に、衆参の総務委員会が同時に開かれ、参議院には大臣が、衆議院では副大臣(とNHK会長)が出席し答弁しました。同時に両委員会が開かれるのは異例だそうです。
23日は、午前中衆議院総務委員会で、NHK予算の質疑と採決が行われました。引き続き昼には、参議院総務委員会で成田財特法の趣旨説明を読みました。午後には衆議院本会議でNHK予算の採決、市町村合併3法の趣旨説明と質疑があり、それから参議院予算委員会で集中質疑がありました。なんと盛りだくさんな。総務課長は、昼は審議日程のお願いに回り、夜は大臣答弁資料のチェック、朝は大臣へのご進講でと・・・。
25日は、参議院総務委員会で成田財特法の質疑がされました。そして26日に、交付税法と一緒に、委員会と本会議で採決されました。

講演録

この講演は講演録にしてあります。宮崎県市町村課にお申し込みください。県庁が活字にしてくださいました。A4版で資料を含め58ページです。内容は、拙著「新地方自治入門」の一部を分かりやすくしたもの、とお考えください。
これでも、「脱線したところ」は、かなり加筆したんです。ある新聞記者からは、「岡本課長の講演にしては、辛みが足らない。本当はもっと脱線したんでしょう」と、読後評をもらいました。ハイ、そのとおりです。
余部があるので、ご希望の方はお申し込みください。返信用封筒(A4版が入る大きさ・切手も貼っておいてください)を「〒100-8926総務省官房総務課」の私宛に送っていただければ、お送りします。

三位一体改革6

今年度の三位一体改革に関する国会での議論
その主な質問と答を、紹介します。もっとも、答には私の解説と主張も含まれていますので、公式見解ではありません。
1 三位一体改革といいながら、地方財源が大きく減っているではないか。
(答)
三位一体改革には、2つのものが含まれています。
①その1は、国庫補助金廃止とその一般財源化です。
②その2は、交付税の縮小です。
このうち、①では地方収入は減りませんが、②で地方収入が減っているのです。
「三位一体」改革と呼ばれていますが、私は「2+1」と解説しています。「国庫補助金廃止」と「一般財源化」はセットです。これが私の言う「2」の部分で、狭義の三位一体改革、①です。これは質的改革です。補助金廃止のうち地方が引き続き行うものは、税源移譲をします。16年度は、過渡的方法として、所得譲与税と税源移譲予定特例交付金です。
交付税の縮小は、この①とは別物です。量的改革です。
①は地方の自由度を高めるためのものですが、②は財政健全化が主な目的です。拙著「地方財政改革論議」でも、地方財政には2つの課題があるとして、まず②を述べ、次に①を述べてあります。
①の部分は、それに見合う地方財源総額を確保してあります。また、個別団体についても、地方交付税によって財源保障と財源調整をしています。所得譲与税や特例交付金が必要額だけ来なくても、交付税で埋めます。だから、これによって財源が減ったということはありません。しかし、②が大きかったので、「三位一体改革で収入が減る」と誤解があったのです。
もし、「税源移譲で収入が純増する」と思っておられたら、誤解です。私は、「国にそれだけの力がない」と繰り返し言っています。「地方税財源の充実強化」も同じです。税源移譲で地方税が増え、地方財源の自由度は質的には高まります。しかし同額だけ国庫補助金が減り、合計では量的には増えません。それを増やそうとするなら、「増税」が必要です。(3月21日)
2 地方財源の削減が大きく、また突然だったので、地方団体は予算編成に苦慮している。
(答)
交付税総額は、平成15年度も7.5%減っています。16年度(6.5%減)の方が、減り方は少ないのです。それなのに悲鳴が上がるのは、臨時財政対策債の減が大きいからです。交付税総額は、この4年間減少しています。しかし、臨時財政対策債が減るのは今回が初めてで、「交付税総額と臨時財政対策債合計」が減るのは初めてなのです。
これまで地方財政計画総額が減り続けているのに、「交付税と臨財債の合計」が減らなかったのは、簡単には、「税収が減り続けたから」です。今年度は、歳出が減って、税収も減らず、財源不足額が縮小したのです。三位一体改革その参照
「交付税が減るのは予想していた。しかし、臨時財政対策債が減るとは思っていなかった」とおっしゃる首長さんが多いです。総務省も、昨年の6月の「骨太の方針」や11月の「麻生プラン」で、「交付税が減りますよ」とPRしていました。しかし、臨財債が減ることは、十分理解してもらえてなかったようです。
予算編成に苦慮しておられる地方団体のために、「地域再生事業債」を用意しました。この地方債を建設事業に充て(充当率を上げ)、一般財源を「追い出すこと」で、予算を組みやすくしようとするものです。
また、「説明不足」との批判に対しては、新年度早々、ブロック会議などに出向いて、総務省から説明をすることとしました。
3 税源移譲は、ほとんどないではないか。
(答)
今年度、国庫補助金見直しは1兆円を達成しましたが、その内訳は
①一般財源化(所得譲与税化):0.2兆円
②暫定的一般財源化(税源移譲予定交付金化):0.2兆円
③公共事業等の削減(事業量の減):0.5兆円、です。
一般財源化等は①+②で、0.4兆円です。
16年度の一般財源化等は0.6兆円ありますが、その内訳は
④所得譲与税化:0.4兆円(①と前年度交付金化したものの合計)
⑤税源移譲予定交付金化:0.2兆円、です。
この批判には、2つのものが含まれています。
その1は、「1兆円の補助金削減に対し一般財源化が0.4兆円しかない」ことです。これはそのとおりで、残りは補助金の廃止だからです。
批判の2は、「税源移譲がないではないか」です。今回の一般財源化④と⑤は一般財源ですが、確かに地方税になったものはありません。ただし、④所得譲与税は、国が徴収する地方税です。ゆえに、国の一般会計にも計上されません。地方の財源としての性格を持っています。
政府は、平成18年度までに、地方税に本格的に税源移譲することを決めています。後3年見ていてください。