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著作

新採職員に勧める本

岡山県立図書館から、連絡をいただきました。拙著『明るい公務員講座』を、「新県職員へおすすめの本」という県職員向けの資料に載せてくださったとのこと。
「先輩職員からのおすすめ本」が並んでいて、その18冊の一つとして上がっています。推薦してくださった先輩からの推薦文も付いています。

・・・分かっているだろうと先輩もあえて説明しない基本的な心構えが学べます。新規採用職員であった私の仕事ぶりがひどかったのでしょう、当時の課長に勧められて読み始めました。それなりに使い物になるようになったのは、この本のおかげもあるようです。今でも読み返すと、襟が正され、明日からも頑張ろうと思えます・・・(一部改変してあります)

お役に立てて、うれしいです。

連載「公共を創る」第186回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第186回「政府の役割の再定義ー幹部官僚としての心構え」が、発行されました。第183回から、私が所管を越えて広く日本のあり方を考えるようになった経験を話しています。

今回は、前回に引き続き麻生総理大臣の秘書官の経験、そして2011年の東日本大震災対応の経験を書きました。
総理秘書官は国政の全般を見なければなりません。そして当時は、リーマン・ショックという、世界恐慌にもなりかねない事態に対応する必要がありました。日本が思い切った政策を打つだけでなく、各国に政策協調を呼びかけたのです。

東日本大震災では、これまでにない大災害なので、前例どおり・法令どおりが通用しませんでした。しかも、対応は急を要します。政府全体を動かす「仕切り役」「手配師」を務めました。私の言動は、「霞が関の治外法権」「永田町の治外法権」とも呼ばれました。名誉なことです。

連載「公共を創る」第185回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第185回「政府の役割の再定義ー広く日本の在り方を考える必要性」が、発行されました。
第183回から、私が所管を越えて広く日本のあり方を考えるようになった経験を話しています。

今回は、1993年に、カンボジア国連平和維持活動で警察官が死亡した際に国家公安委員長に同行した件。1998年に、中央省庁等改革推進本部事務局で全省庁の課の数を削減した作業。2006年から、自民総裁候補のマニフェスト作成に参画したこと。2006年に、経済財政諮問会議に関与したこと。2008年の総理秘書官の経験を書きました。
このあと、東日本大震災の経験が続きます。

こうして振り返ると、自治省に入ったのにそれを越えて、国家官僚としてさまざまな広い経験をさせてもらいました。官僚生活の後半は、私の「本籍」であった自治省(総務省)財政局ではなく、内閣府や官邸などでの仕事がほとんどでした。「内閣官僚」と自称しています。

このことは、日経新聞夕刊一面コラムにも「内閣官僚」として書きました。
・・・1978年に自治省に採用され、2016年に復興庁事務次官を退任した。38年間の勤務のうち、自治省と再編後の総務省で16年、自治体勤務が11年、内閣、内閣府、復興庁が11年になる。後半は、省庁改革本部、総理秘書官、復興庁と、内閣の近くで仕事をすることが多かった・・・
その後の内閣官房参与・福島復興再生総局事務局長の4年余りを入れると、内閣近くでの仕事の期間は、42年のうち15年とさらに長くなります。

コメントライナー寄稿第17回

時事通信社「コメントライナー」への寄稿、第17回「管理職を育てる組織へ」が4月26日に配信され、30日のiJAMPにも転載されました。

今回は、有名企業で起きている性能偽装の原因を取り上げました。調査に対して、部下は「開発スケジュールが厳しいことを上司に伝えても、上司が取引先に対しスケジュールの見直しを申し出ることはなく、むしろ、決められたスケジュールに間に合わせるよう指導を受けるのみであったため、スケジュールが厳しくても、上司に相談することはしないようになった」と発言し、管理職は「この業務の経験がなかったため、業務に詳しい担当者を信頼し、業務を一任していた」と答えています。

関与した当事者たちは悪いのですが、彼らにも言い分があるでしょう。「私はこの分野の専門家でなかったが、会社の人事でこの席に着いた」「同僚も上司も、このような仕事の仕方を続けていた。なぜ私だけが」と。

職場管理の訓練を受けずに専門外の部署の管理職に指名された職員と、管理職に相談してもどうせ何も変わらないと思っている部下。彼らより、そのような人事を行った組織と幹部の罪は大きいのです。

連載「公共を創る」5年

連載「公共を創る」が、2019年4月25日から掲載を始めて、まる5年になりました。6年目に入るということです。180回を超えました。
最初の頃は毎週木曜日に、最近は月3回木曜日の掲載です。よく続いたものです。お付き合いいただいた読者の方々に感謝します。右筆、校閲担当者、編集長には、もっと感謝しなければなりません。

当初は半年くらいかなと思っていたのに、なんと6年目に突入です。なぜこんなに長引いたか。目次を見ると、第4章2社会と政府、3政府の役割の再定義が、長くなっています。

第1部 町とは何か
第1章 大震災の復興で考えたこと(第3回~23回)
第2章 暮らしを支える社会の要素(第24回~38回)
第2部 社会は変わった
第3章 転換期にある社会(第39回~70回)
第4章 政府の役割再考
1 社会の課題の変化(第71回~96回)
2 社会と政府(第97回~150回)
3 政府の役割の再定義(第151回~)

長くなると、以前に書いたところを探すのに手間がかかります。「確か、この項で書いたはずなのだけど」と。
先日の「連載「公共を創る」執筆状況」で書いたとおり、毎回、難儀しながら書き続けています。もうじき完結する予定なのですが・・・。
「「公共を創る」連載4年」「「公共を創る」連載3年