岡本全勝 のすべての投稿

戦争の歴史

マイケル・ハワード著『改訂版 ヨーロッパ史における戦争』(2010年、中公文庫)を読みました。数週間前に読み終え、このホームページで紹介しようと考えていたのですが、パソコンの前に放置してありました。中世から現代までの戦争を、小さな書物で解説することは、とても難しいことです。大胆な切り口で分析と分類をしないと、収まりません。この本では、次のような視角で、時代を追って分類しています。
封建騎士の戦争、傭兵の戦争、商人の戦争(交易と海賊)、専門家の戦争(専門的軍隊の出現)、革命の戦争(ナポレオンの衝撃)、民族の戦争(民族国家の成立)、技術者の戦争(第1次大戦)。
わかりやすいです。戦争の歴史というと、軍事技術の歴史を想定しますが、技術以上に、各時代の戦争がその時代の社会・政治・経済を反映した、それが許す範囲内でのものであったことがわかります。

仮設住宅暮らしの心得

復興庁のボランティア連携班で助言をいただいている田村太郎さんが、「2回目の冬を乗り切るために~被災された方々を取り巻く環境のメンテナンス」を、書いてくださいました。
仮設住宅は、あくまで応急のものです。2年を想定していますが、多くの地域で、それ以上の入居が予想されています。補修もしてはいますが、傷みも出ます。それ以上に、生活環境として良いものでもありません。「生活の心得」は、役人では思いつかない発想です。ありがとうございます。
各市町村が、高台移転や土地のかさ上げを急いでいます。なるべく早く新しい家を建てる、その見込みを立てることが、重要です。

赴任地の困難さ、孤立感

1月23日の日経新聞「アジア跳ぶ、現地ルポ」に、ミャンマーの首都ネピドーの丸紅出張所長の話が紹介されていました。ネピドーは旧の首都ヤンゴンから300キロメートル離れ、密林を切り開いてできた町です。住んでいる日本人は、もう一人の職員と合わせ2人だそうです。
安全な町なのですが、居住困難度は最も高いと判定されました。理由は、孤立感と医療水準の低さだそうです。周りに、日本人どころか外国人がいない。ミャンマーの政府高官も、週末はヤンゴンに戻ります。空港はあるのですが、国際線が就航していません。万が一、重病になっても医療設備の整った近隣国に駆け込むことも難しいのです。気候の他、風土病や食糧事情が悪い国での生活は大変だと知っていましたが、「孤立感と医療水準」の2つは、なるほどと思います。