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委員会審議の重複

今日25日は、午前中の参議院予算委員会に大臣が出席、午後に衆議院復興特別委員会の一般質疑が開かれ、それに続いて参議院復興特別委員会で「福島特措法の一部改正法案」が審議されました。昨日までは、午前中に参議院復興特別委員会、午後に衆議院復興特別委員会が予定されていたのですが、午前中に大臣が予算委員会に取られ(予算委員会は他の委員会に優先します)、急遽、参復興特を午後に延期し、衆復興特は大臣が出席できない時間帯は副大臣対応となりました。また、一部の審議を延期しました。滅多にないことです。
岡本政府参考人は、両方の委員会に呼ばれていたのですが、体が一つしかないので、一方は他の統括官に代わってもらいました。参復興特では、事前通告のない質問が出たりして・・。もっとも、事前に通告があっても、答えるのは難しい質問でした。どのような質問だったか、それにどのように答えたか。議事録ができたら、紹介しましょう。
福島特措法の一部改正法案は、賛成多数で委員会を通過し、明日の本会議で成立する見込みです。
昨日(24日)は、夜になってから五月雨式に質問が判明し、答弁案作成をしていたら、日付変更線を超えてしまいました。職員が「岡本統括官、さすがに今日は、ホームページを更新できないでしょう」と言ったので、家に帰ってから、意地でも加筆しようとしたのですが。今朝も早かったので、素直に風呂に入って寝ました。

企業から被災自治体への職員派遣のお願い

被災地の自治体では仕事が膨大になり、職員が不足しています。他の自治体が職員を派遣したり、任期付き職員を採用して派遣してくれています(市町村間の応援数。このほかに県による応援があります)。
民間企業にも、応援をお願いしています。土木技師や建築技師の他、用地交渉、広報など、民間企業にもおられる専門職を求めています。元の企業を辞めなくても、自治体へ派遣できるように、仕組みを整えました。(総務省の職員支援のページ

企業の社会的責任

東京財団の亀井善太郎研究員が、「CSR再論―いま、改めてCSRを問い直す」を書いておられます。なかなか興味深いです。
公共空間が、行政だけでなく、企業(市場経済)やボランティア(非営利活動)によって成り立っていることは、このホームページでも、何度も主張しています。また、復興の過程においても、それらが必要であることも取り上げています。例えば、「被災地で考える「町とは何か」~NPOなどと連携した地域経営へ~」(共同通信社のサイト「47ニュース」2012年8月31日)。
企業の社会への貢献は、大きく分けると「善意による支援」と「本業を通じた貢献」の2つになるのでしょう。しかし、多くの人には、前者の義援金、物資の提供、社員のボランティア派遣が、想起されるようです。後者の本業による貢献も、大きいのですが。そこで、復興庁で整理した「民間企業の支援活動の分類」では、最初に事業活動=本業による貢献を書いてあります。
少し範囲が広がりますが、アメリカの大学の教科書に『企業と社会』(邦訳、2012年、ミネルヴァ書房)があります。企業の社会的責任を、広い観点から整理してあります。私は、読みかけて途中で放棄してありますが(反省)。

復興庁の組織と運営の特殊性、その2

次に、仕事の仕方です。
3 これまでにない仕事=上司が仕事をする。 事態がどんどん変化する=上司が仕事をする
既存の府省では仕事が進まないので、復興庁が作られました。すなわち、各府省でできる仕事は、私たちが手を出す必要はありません。復興庁の取り組む仕事は、これまでにない課題で対応する制度がないものや、各府省では片付かない課題です。すると、部下から「前例通り」「去年通り」に決裁が上がってくるような、仕事の運び方にはなりません。参事官が、最初から乗り出さなければならないような課題ばかりです。
そして、現地で復旧が進むと、課題は変化します。3か月前に力を入れた課題は、それによって解決し、次の課題が生まれるのです。また、原発事故からの復興は、これまでにないことなので、あらゆることが初体験です。
国会答弁案も、前例に従って作ればよいものは、ほとんどありません。
仕事の進め方は、ボトム・アップでなく、トップ・ダウンになります。朝早く出勤すると、何人もの参事官が、パソコンをたたいていることがあります。部下職員がいない中で、ポツンと仕事をしています。(その参事官たちに新しい指示を出すために、岡本統括官は土曜日曜に出勤して、指示書を書いています。苦笑)
世間の皆さんが思っておられる「役所仕事」と、全く違った世界があります。でも、民間企業や世界を見渡せば、こんな仕事場も、たくさんあるのでしょうね。