岡本全勝 のすべての投稿

特区制度による効果

復興特区制度で、被災地での企業投資を促しています。制度創設以来約1年間の効果をまとめました。それによると、投資額は約1兆円、雇用は6万4千人です。それぞれ予定の数ですが、結構な成果が出ています。
いつも述べていますが、制度は作ったらよいというものではなく、また指定した件数で測るものでもありません。どれだけ効果が出たかで測るべきものです。

大型連休終了

大型連休が終わりました。皆さん、充実した休日を過ごされたことでしょう。一部の地域では天候が荒れましたが、比較的天気に恵まれたようです。
私が行ったある美術館は、長蛇の列ができていました。30分並んで入ったとしても、あの小さな空間にこれだけもの人が入ったら、絵を見るどころか人の頭を見に行くようなものだと悟り、断念。
15年ぶりに行った(誘ってくれた息子の記憶)高尾山は、新宿や銀座より込んでいて、山道の所々で登山者が渋滞を起こしていました。朝早く出発し、麓から頂上までケーブルカーに乗らず歩いたので、待ち時間はなし。体力と下りの際の膝に不安がありましたが、歩き通すことができました。浄心門には、「大震災復興」の額が掛かっていました。
私は、谷間の平日3日と数日の休日出勤だけで、お休みもいただきました。手帳を見ると、昨年はカレンダー通りに、休みをもらいました。一昨年は大震災直後でもあり、とても休める状態ではありませんでした。
おかげさまで、仕事や頭の整理ができました。仕事の進め方については考えがまとまり、指示書も作ったので、職員のメールに送り込んであります。例によってたまっていた資料や新聞切り抜きを、だいぶ片付けました。復興庁の私の部屋と自宅の書斎は、かなり資料を捨てたので数センチ浮き上がったでしょう(笑い)。
さらに、思いついてメモにしてあったいくつかのテーマ(行政論)を、ゆっくり考えることができました。時間があるときにしかできないので、これは収穫でした。もっとも、読もうと思っていた本はそれほどはかどらず、書き始める予定の原稿もだめでした。一つの本を読み出すと、次々と興味が広がって、あれこれと手を広げてしまいます。
そもそも、遊びに行く、おいしいものを食べる、本を読む、原稿を書くをすべてやろうと考えることに、無理があります(苦笑)。いつものことながら、欲張りと好奇心が多すぎることを反省。それなりに充実した休みだったことに、満足しましょう。この間も皆のために働いておられる、警察、病院、交通、商売など多くの方に感謝します。

左遷、日本の会社の場合は、横滑り。その3

相原孝夫さんの発言から(続き)。
・・そもそも、人事は、短期的な業績に対する上司の「評価」よりも、同僚や部下からの意見や人物評も加味された長期的な「評判」で決まります。評判の悪い人ほど自己評価が過大な傾向がありますから、自分の人事を左遷だと思い込みやすい。結果、不信感を募らせて孤立し、ますます自分を客観視できなくなる。完全な悪循環です。
これを避けるには、つらくても周囲の声に対して聞く耳を持ち、それに基づいて自己評価を修正していくしかありません。仕事帰りの一杯は、その貴重な機会です。お互い口も軽くなり、ふだんは言えないきつい一言も出る。それに腹を立てるか、大切なアドバイスと受け止めるかは、自分次第です。
仲間を持つことも大切です。私が働いていた外資系企業は人の入れ替わりが激しかったが、社内のスポーツ活動に参加していた人の離職率は、そうでない人の3分の1程度でした。仕事を離れて本音で付き合える人々が社内にいれば孤立しない。社外人脈よりも社内のネットワークづくりに力を入れる方が、会社人生はずっと幸せになります・・
人事をする立場から、この指摘に同感です。誰しも、自分のことは客観的に見ることは困難です。抜擢すると、本人は「私の実力だ」と思います。反対に昇進が遅れると、「上司は私のことを正当に評価していない」と考えます。
後者の人にその事情を説明するのは、かなり困難を伴います。ふだん、飲んだときとか、友人など周囲の人がそれとなくアドバイスできると、少しは防止できるのですが。『明るい係長講座』でも、友人など相談できる人が少ない人が、仕事に悩むことを取り上げました。

グローバル化が行政に与えるインパクト、その2

また、大橋洋一先生は「グローバル化と行政法」で、国際的約束を実現するために国内法が必要である場合に、法律制定手続きが持つ意味を、次のように整理しておられます。
1 与野党間の利害対立を統制する。
2 実現に向けた行政機関の権限や組織を指定する。
3 実施に向けて紛争が生じた場合の評価規範としての意味を持つ。
4 国民に対して、新規施策を宣伝する。
5 既存法律体系との調整が必要になる。
確かに、果たしている機能から見ると、このようにさまざまな効果があります。

ボルサリーノ

私がふだんかぶっている帽子は、中折れ帽(ソフト帽)で、合冬物はボルサリーノ製です。ボルサリーノは映画の題名になったくらいで、私は普通名詞だと思っていました。イタリアの有名メーカーです。ソフト帽を初めて売り出したので、ソフト帽の代名詞になっているとのことです。
新聞に紹介が出ていて、インターネットで製造過程を見ることができます。半世紀以上前とおぼしきフィルムと現在とが、継ぎ合わされています。不自然でないということは、製造方法が変わっていないということでしょうか。「Under the Hat 1.5分版」「Under the Hat 9.5分版」。
under one’s hat には、「秘密にしておく」という意味がありますが。(日本ではボルサリーノジャパン