岡本全勝 のすべての投稿

日本が誇れる生活文化、文房具とお菓子

3月27日の読売新聞暮らし欄に「日本の文具、世界でヒット」という記事が載っていました。パリのルーブル美術館の地下に、日本の文房具メーカーが店を開きました。日本製の筆記具、ノート、付箋などが並んでいます。デザインが洗練された日本の文房具は、気の利いた贈り物として人気があるのだそうです。
私も、文房具屋さんに行くのは大好きです。ちょっとした小物が、楽しいですよね。一つひとつの小物と、その豊富な品揃えに、日本の生活文化の成熟度が現れていると思います。かつては、西欧の文房具や雑貨にあこがれました。現在の日本の小物は、それ以上に楽しいと思います。若い女性という厳しい選択眼にさらされているのですから。きっと、先進国でも後進国でも、ヒットすると思います。
外国人旅行者を連れていく穴場の一つです。外国へのお土産にも、喜ばれますよ。3色ボールペン、付箋、クリップ、文鎮、糊。大きすぎない、あまり高価でない、楽しい、おしゃれ、品質は良い、必需品じゃないけどあるとうれしい。お土産にぴったりでしょ。例えば、伊東屋コクヨ
もう一つ、外国人旅行者に喜ばれそうなのが、お菓子です。単純なチョコレートやクッキーではなく、ポッキーとかカールといったスナック菓子です。もちろん、チョコやクッキーも、一ひねりしてあるのが、おもしろいです。アイスクリームにも、いろんな種類がありますよね。
あのおいしさ、カラフルさ、そして一ひねりしたアイデア、飽きが来ない味。「たかが子どものおやつ」と、侮れません。これも、厳しい競争を勝ち抜いて、消費者に選ばれたものだけが勝ち残っているのです。
先日も、地下鉄の中で、山のようにお菓子を抱えているアジアからの観光客に会いました。森永グリコ明治製菓
私は、和菓子(生菓子)が好きなのですが、これはたくさん買ってもらうお土産には、向いていません。デパ地下の弁当や総菜類も、きっと外国人にうけるでしょう。たくさん持って帰れないので、これもお土産にはなりません。
生活用品や雑貨も、おもしろいモノがたくさんあります。東急ハンズにいくと、いろんなモノがあって、見て回るだけで飽きません。例えば弁当箱。もう少し文化的なものだと、博物館のミュージアムショップです。例えば、東京国立博物館東京都美術館

住宅建設+コミュニティづくり

3月28日に、「長期避難者の生活拠点形成のためのコミュニティ研究会」報告書を公表しました。
原発事故で避難しておられる方の中には、帰還できるまで待ちたいという方もおられます。そこで、福島県、避難元市町村、避難先市町村と一緒になって、公営住宅の建設を進めています。いわき市、福島市、郡山市、会津若松市などで、合計4,890戸です。
しかし、住宅を建てるだけでは、住みよい環境とは言えません。住みよい環境やコミュニティをどう形成していくか。そのための方策を検討してきました。
ポイントは、住民自らが住まいや暮らし作りに参画すること。コミュニティ活動を活発化させるためには、住民が気軽に集まって活動できるイベントなどを実施すること。他の市町村の中に住宅ができるので、地域住民とも交流を持つことなどです。
ハードだけでなく、ソフトも組み合わせる必要があります。そして、住民自らが参加しないと、よそ者が押しつけても、良いコミュニティはできません。

4月1日

今日は4月1日。各省庁や会社で、入社式や入庁式がありました。新人の皆さんは、それぞれに希望に燃えて、そして少しの不安を持って、1日目を過ごされたでしょう。これから、希望を持ち続けて、充実した社会人生活を送られることを望みます。
これから楽しいこととともに、つらいことや困ったことに出会うでしょう。でも、それぞれの苦労が、あなたを大きくします。努力が、道を切り開きます。そして、楽天的に考えることが、前へと押してくれます。悩むことより行動、そして一人で悩むことなく周りの人に聞きましょう。
復興庁では新人採用をしておらず、各省からの出向者や民間からの即戦力で職員を集めています。それでも、本庁では60人ほどの転入者を迎えました。オリエンテーションで、復興の課題をお話しするとともに、復興庁に期待されていること、そして仕事のこつをお話ししました。

企業の社会的貢献、新しい段階に

先日(3月29日)の続きです。武田薬品の復興支援のページの、映像による紹介(8分間)をご覧ください。文書資料だけでは、どうしても無味乾燥になりがちです。この映像は、わかりやすいです。武田薬品がこれまでに取り組んでくださった実績や、考え方がよくわかります。
そこでも紹介されていますが、当初の緊急的な寄付金や物資の提供から、長期的な復興支援へと、支援を発展してくださっています。また、それぞれの分野で知見のあるNPOなどと連携して、支援を深掘りしてくださっています(例えば「いのちとくらし再生プログラム」)。これからの企業の社会的貢献の、モデルケースになるでしょう。ありがとうございます。
私は、今回の東日本大震災を機に、企業の社会的貢献が、新しい段階に入ったと考えています。
阪神淡路大震災が、「ボランティア元年」と呼ばれたように、今回は企業の支援活動を通じて、「企業の社会的貢献」「企業市民」が、社会に大きく認識されたきっかけになったと思います。また、ボランティアについても、NPO(組織ボランティア)の有効性が認識されたと思います。
単に、義援金や物資を送るのではない、また単純作業のボランティアではない、支援活動です。もちろんこれらも重要ですが、発災直後の「救護期」や「復旧期」から「復興期」に入ると、求められる支援は違ってきます。現地では、住民の生活支援(健康、孤立防止、相談相手、コミュニティ形成など)と、産業振興が求められています。これらは、物や金を送るだけでは、解決しないのです。相手は、人であり暮らしです。そのために、次のような要素が必要です。
1 継続的であること
2 組織的であること
3 技能やノウハウを持っていること
4 人による支援が必要なこと
5 企業にあっては、無償支援だけでなく、本業との関わりがある方が長続きすること

復興庁でも、企業による支援の類型や、NPOによる支援の類型を示していますが、一般の方に理解してもらうためには、関係者によるさらなるPRが必要です。どなたか、1冊の本にしてくださらないでしょうか。構成は、
1 主体別(企業、NPOなど)
2 支援分野別(健康、つながり、産業支援など)
3 手法別(お金、物資、ノウハウ・・)
などでしょうか。読んでもらえるように、代表的なプロジェクトの紹介とともに、関係者の物語になっていると、読みやすいです。写真と汗と涙と笑顔があると、読みやすいのです。
現在進行形で、まさに新しい分野を切り開いているところなので、本にするのは難しいでしょうが。世間に認知してもらうには、本(新書版くらい)にするのが、効果的だと思います。
今回の被災地支援は、企業の社会的貢献やNPOの活躍が、見えやすい事例です。すなわち、場所と支援内容が、限定されているからです。「新しい公」や「企業の社会的貢献」といっても、日本社会全般を相手にしていると、広すぎて、発散してしまいます。その点、復興支援は、場所が限定され、支援内容もわかりやすく、一般の方の共感を得やすいのです。これからは、今回の復興支援をてこにして、日本社会全般に、この動きを展開していく必要があります。すると、対象別や手法別の整理が、より必要になります。

政権与党、自民党の変化

3月30日朝日新聞「月曜に想う」は、星浩特別編集委員の「単色の自民 多色に戻る日は」でした。「自民党内で、自由な議論ができなくなってきているということなのだろうか」ということについて、次のように書いておられます。
・・30年近く、自民党をウオッチしてきたが、確かに、昔のように右も左も、タカもハトも入り乱れて、時には灰皿を投げ合ったりして激論を交わす光景は見かけなくなった。なぜか。
私なりに整理すると原因は三つだ。第一に衆院に小選挙区制が導入されたことで、各選挙区の公認候補は1人に絞られ、競い合って候補者を擁立していた派閥の存在理由が薄れてきた。選挙資金も党役員・閣僚の人事も、総裁や幹事長が一手に握っているから、議員たちには、執行部に背くのは損だという計算が働く。
第二に小泉効果だ。小泉純一郎首相当時の郵政民営化騒ぎで、首相の意向に背くと党を除名され、選挙では刺客と呼ばれた対立候補を立てられる。こっぴどく痛めつけられる現実を見た政治家たちは、物を言わなくなった。
そして第三が野党経験。民主党に政権を奪われて3年余、官僚も業界団体も寄りつかない。早く政権に戻りたいという願望は強かった。民主党内の混乱ぶりを見て、「党内対立が政権の命取りになる」ことも実感した。かくして、老いも若きも首相の言いなりという「単色の自民党」ができあがった・・
詳しくは、原文をお読みください。