投稿者アーカイブ:岡本全勝

企業の組織力

2017年3月22日   岡本全勝

日経新聞「やさしい経済学」で、守島基博・一橋大学教授の「毀損した日本企業の組織力」が始まりました。「組織能力」について、次のように書いておられます。
・・・企業の「得意技」とでもいうもので、競合企業との差別化を持続的に可能にする能力を指しています。製造業のモノづくり能力などが例として挙げられます。
ただ、近年は別の議論も目立つようになってきました。経営戦略と深く結びついた差別化能力と異なり、どの組織も基盤として持つべき強みのようなものが、持続的競争力のためには必要だという議論です。
例えば職場内訓練(OJT)で人を育てる力です。OJTが機能するには、直属の上司が教えるほか、現場で本人の能力よりも少し高いレベルの仕事を与え、周りみんなで支援し、ほめたり注意したりしながら、その経験からの学びを最大にしていくプロセスが大切です。つまり、人材を育てる力は組織全体で担われる組織能力なのです・・・

私は、役所の持つ組織力を考えてきました。「社風」と言った方が通じるでしょうか。「社風」というと、「気風」と取られてしまいますが、能力の違いです。その組織が持っている、過去から引き継いだ能力の高さ、強みです。
国の各省庁でも、省が違うと、新しい課題への取り組み方に違いがあります。自治体も、法令に基づき同じように行政を処理していても、役所によって仕事の仕方や気風、さらには能力が異なるのです。新しい課題に逃げない、議会答弁案作成を逃げないと言ったものもあります。
個人の場合だと、仕事に取り組む積極性といった性格であり能力です。それは文章には表しにくい、また数字ではとらえにくいものです。連載「明るい公務員講座」でも、解説しようと予定しています

作業工程の共有

2017年3月22日   岡本全勝

3月19日読売新聞「震災6年」は、青柳隆・元ルネサスエレクトロニクス那珂工場長のインタビューを載せていました。
那珂工場は、自動車用のマイコンを作っている工場です。これは、エンジンや変速機の制御に欠かせない部品で、世界の約4割、日本の約6割を占めています。この工場が被災したことで、日本の自動車生産が止まる恐れがありました。復旧に際しては、取引先の自動車メーカーが社員を応援に出してくれて、9月復旧予定が、6月には生産が再開することができました。取引先からの応援は、ピーク時には1日2,500人、延べ8万人だったそうです。その状況や教訓は、原文をお読みください。ここでは、応援を受けた際の言葉を紹介します。

・・・「トヨタ生産方式」の手法も活用させてもらった。大部屋を設け、組織図からすべての作業の工程まで最新の情報を壁に貼りだし、情報共有を徹底する。復旧計画が前倒しされる中でも、大部屋に行けば誰もが一目で現状を知ることができ、作業が円滑に進んだ・・・

私も、常に心がけていることです。職員は、部分部分を担当しています。その際に、全体はどうなっているのか、そして自分がどの部分を担っているのかを知ってもらうことが重要です。すると担当者は、自分がしなければならないことを理解するとともに、関連部署に対して「ここはどうなっているの?」と問い合わせたり、「ここを忘れているのでは」と指摘することができるのです。
全体工程を管理するのはもちろん、トップの役割ですが、細かいところまでは把握できません。大きな方向と関係者への役割分担を決めて、後は担当者に任せる必要があります。そして、担当者から「ここはおかしいのでは」「ここが抜けています」といった指摘をもらって、全体工程表を修正していきます。

そのためには、全体の工程表と役割分担を、関係者に見せる必要があります。まずは、それぞれを1枚の紙にすることです。それを壁に張り出したり、パソコンでみんなが見ることができるようにします。それを、毎日のように必要に応じて更新していきます。
また、大震災の被災者支援や復興では、住民や自治体、国民、マスコミにも、課題と進捗状況を知ってもらう必要がありました。それは、ホームページに載せることで、誰でもどこからでも見ることができるようにしました。現在も、インフラ復旧などは、それを続けています。

原発事故への偏見

2017年3月21日   岡本全勝

福島民友新聞社が、「復興の道標 不条理との闘い」を連載しています。
・・・震災、原発事故から間もなく丸6年。「福島は危険」といった偏見などゆがんだ見方は国内、海外で根強く残る。正しい理解をどう広げるか、必要な取り組みを考える・・・

原発被災地では順次、避難指示が解除され、生活を再開する準備を進めています。ところが、風評という大きな課題が見えてきました。一つは、福島産の農産物が売れないことです。もう一つは、観光客特に学生の修学旅行が戻らないことです。もっとも、これらについては、安全性を広報して、徐々に解消しつつあります。
もう一つの大きな問題は、偏見です。「福島は危険だ」という根拠のない見方が、ごく一部の人とはいえ生じているのです。避難者がいじめに遭ったりしています。

福島民友の取り組みは、的確です。しかし、そのような偏見を持っているのは、福島県外の人なのです。その人たちに、どのようにして正しい認識を持ってもらうか。大きな課題です。
残念なのは、部外者が「よかれ」と思って、福島の一部のことを発言されることです。悪意はないのですが、誤解を広げてしまうことがあります。難しいことです。

上手な事故対応を学ぶ

2017年3月21日   岡本全勝

3月7日の読売新聞に、辻伸弘さんの「サイバー攻撃 事後対応で評価」が載っていました。
・・・サイバー攻撃が巧妙化する中、セキュリティー事故はどんな組織で起きても不思議ではない。
ひとたび、情報漏洩などが発覚すれば、社会から糾弾され、時には「袋だたき」にあうこともある。セキュリティー対策の甘さや対応の遅れが検証されることは当然必要だ。だが中には、発覚後の情報開示や再発防止策の内容の感心させられるケースもある。きちんと対応したところと、ほとんど何もしなかったところが同じように扱われるのはおかしいのではないかー。
そんな問題意識から、私を含むセキュリティー業界の有志5人で昨年から始めたのが「情報セキュリティ事故対応アワード」である。情報開示と説明責任の観点から事後対応を評価し、表彰する取り組みだ。事故を起こしたことを責めるばかりでは萎縮してしまう。むしろ適切な対応を褒めることで社会全体の対応を向上させようという「北風より太陽」作戦である・・・

詳しくは原文をお読みいただくとして、今年の表彰結果がインターネットで見ることができます。

慶應大学での講義・2017年、2018年

2017年3月20日   岡本全勝

2017年4月から、慶応大学法学部で非常勤講師を勤めています。

2018年
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2017年
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かつての慶應大学での講義のページ(2007年、2008年、2010年)。