異常気象で野菜が全滅

作った野菜を定期的に送ってくれる知人がいます。無農薬でおいしくて、ありがたいです。ところが、今年は秋になっても音沙汰がありません。あの異常な暑さで、野菜がやられたのか、知人が倒れたのかと心配していました。でも、「野菜が届きませんが、どうしたのですか」と問い合わせるわけにもいかず。

先日、電子メールが届きました。概略次の通りです。
「夏の酷暑が9月の種まき時期にも衰えず、定植した苗や発芽した苗が焼け付いたり、うまく育ったものも10月上旬に虫害に襲われて、ダイコンとカブは全滅してしまいました。10月中旬に種のまき直しをしたのですが、生育が悪く絶望的です。
何とか生き残っていたハクサイも防虫ネットの中に虫が入り食い荒らされて、今年の秋冬の野菜はほぼ生産中止となってしまいました。8月下旬から炎天下で農作業をしたのに・・・」

農家にとっても、厳しい気候なのですね。この方は専業農家ではないので、生計には大きな影響はないと思いますが。来年に期待しましょう。厚かましいですが。

塩野七生さん「政治はまず大目的を掲げよ」

11月25日の日経新聞夕刊に「塩野七生さん「政治はまず大目的を掲げよ」」が載っていました。塩野七生さんが、今年度の文化勲章を受けての共同記者会見を開いた席での発言だそうです。

「いまは世界の指導者のだれひとり、何をやったら良いのかわかっていない。
目の前のことだけやっているのではなく、ひとつ上のことを決めて処していくのが政治です。動乱の時代には、まず大目的を上に掲げること。日本は課題が山積しているが一番大切なのは何かといえば、私は国土と安全保障だと考えます」

人づてに人を褒める術

12月1日の日経新聞文化欄に、道尾秀介さんの「伊集院静さんを悼む、人の気持ちを変える言葉」が載っていました。先日亡くなられた伊集院静さんの追悼文です。次のような話が載っています。

道尾さんにとって伊集院さんは、25歳年上の尊敬すべき先輩だったようです。ある小さなバーでボトルをキープしたら、隣に伊集院さんのボトルがあったそうです。
後に伊集院さんがその店に行き、ボトルの名前を見て、「道尾秀介のものか」と尋ねたそうです。ママさんが「そうですよ」と答えると、伊集院さんは「私は彼の小説のファンでしてね」と言ってくれたそうです。それを聞いた道尾さんの喜びは想像できます。

私が筋だけを紹介しても、深さを表現できません。ぜひ、道尾さんの原文をお読みください。この話以外にも興味深い話が、小説家の筆で書かれています。

連載「公共を創る」第170回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第170回「政府の役割の再定義ー官僚の人事政策─その現状」が、発行されました。

日本社会の変化を背景に、第157回から官僚の役割について議論してきました。根底には、発展期から成熟期へという社会の大きな変化に、政府も官僚も対応できていないという問題意識があります。しかし、これからの官僚はどうあるべきかについては、十分に議論されてきませんでした。今回からは、行政と官僚の役割の変化に応じて、官僚の仕事をどのように変えればよいか、また官僚をどのように育成すべきなのかについて検討します。

官僚をどのように採用して、どのように育成し、選抜するのか。これについて、制度はもちろんありますが、雇い主である政府の考えを明らかにした人事政策は、最近までなかったように思います。役所の仕事はどうあるべきかについても、共通した方針が示されていたとは思えません。
その原因は、それを考える人事管理部門が重視されなかったせいですが、さらに言えば、人事政策を考える必要がなかったことにあると考えます。
採用後の人事は各省に委ねられ、そして各省には人事政策の専門家がいなかったのです。

近藤和彦先生「『歴史とは何か』の人びと」完結

近藤和彦先生の、連載「『歴史とは何か』の人びと」(岩波書店の『図書』)が、12月号で完結しました。先生のブログ
15回にわたって、カーをめぐる人物を取り上げ、カーの人生に迫るとともに、当時のイギリス歴史学界を紹介してくださいました。先に紹介したように、とても面白かったです。

研究の成果は客観的なものですが、それを生み出す研究者の人生は生身であり、さまざまな付き合い、悩みなど単線的ではありません。もちろん、「このような境遇で、このような人生を送れば、このような成果が出る」というものでもありません。しかし、境遇と付き合いと本人の苦悩が、成果を生むこと、成果に色づけすることも間違いないでしょう。
で、この項目は、「歴史」ではなく、「生き方」に分類しておきます。