参謀と脚本家2

肝冷斎が、「仕事の進め方、参謀か脚本家か」を絵にしてくれました。肝冷斎作「モグラとニワトリ」の続編です。かなり書き込まれた力作です。
・周りのことに関心なく、ひたすら穴を掘るモグラ
・四角い部屋を丸く掃く、手抜きのひよこ。ゴミを外に捨てて、隣の犬が怒っています。
・縄張りを守ることに必死の猫。しかし、縄張りの外には、魚が落ちていても無関心です。
・上空から全体を見渡している鷹。嵐が近づいているようです。行く末を心配しています。

皆さんの周囲にも、当てはまる職員がいませんか。ひょっとして、あなたがそうですか。

 

 

 

 

 

 

 

 

復興、民間団体との協働

1月15日の福島民報が1面トップに、「イノベ推進機構民間団体と連携 被災地活性化後押し」という記事を載せていました。
・・・福島イノベーション・コースト構想推進機構は浜通りなどの民間団体と連携し、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の被災地の交流人口拡大や地域づくりを担う人材育成を後押しする。機構は昨年末までに、全線開通を控えるJR常磐線の利活用促進や復興を支える人材の育成などに取り組む七団体の事業を補助対象に採択。運営費の補助だけでなく、職員派遣を含めた人的支援を検討し、共同で被災地の課題解決と活性化を進める・・・

行政が、民間団体や企業とどのように協働するかが、新しい課題になっています。
かつては、民間活力利用と言えば、行政の業務を民間委託に出したり、民営化することが主でした。いま新しく試みられているのは、行政と民間団体が対等の立場で、それぞれの持ち味を出して、社会の課題を解決することです。

既にある業務を民間にお願いするのではないので、試行錯誤となります。また、行政も、民間団体と契約を結んでお金を払えば終わりというものでなく、一緒に知恵を出しながら課題を解決しなければなりません。これは、なかなか難しいことです。

行政には、地域の課題を解決しなければならない任務があり、大きな信用力と、そこそこのお金があります。民間団体には、新しいことに取り組む意欲と、それまでに培ったノウハウがあります。これを、どのように協働するかです。
福島イノベーション・コースト構想推進機構

平成の歴史、介護保険制度

1月12日の日経新聞連載「平成の30年 高齢化先進国」は「介護の担い手 家族から社会全体に」でした。

介護保険制度が始まったのは、2000年、平成12年でした。もうすっかり定着したので、若い人は、これが昔からあるものだと思っているでしょう。
介護サービスを充実するために、1990年代に「ゴールドプラン」という政策が策定され、施設や職員を急速に増やしました。当時、私は自治省交付税課の課長補佐をしていて、「こんなにも金がかかるのか」と驚いたことを覚えています。
それまでは、家族が、といっても多くは、娘か嫁が父や母、祖父母の世話をすることが「常識」だったのです。サービス開始直後は、「ケアマネジャーを、家の中、寝室まで入れるなんて、恥ずかしい」という声もあったのです。

身近に、介護サービスを利用している例を見ていますが、この制度がなくては、家族は大変な負担だったでしょう。
発足当初、218万人だった要介護認定者は644万人に増え、介護総費用額は3.6兆円から11.1兆円に膨らみました。これも、制度が活用されている結果なのでしょう。

介護保険制度は大成功でした。この記事の副題にあるように、介護作業を家族から社会で引き受けるようになったのです。
このサービスのおかげで、どれだけの家族・女性が、自由時間を持てたか、社会に出ることができるようになったか。日本社会を変えた、行政制度だと思います。
介護保険制度10年

第5回トーキョー会議

今日は、第5回トーキョー会議に行って、冒頭挨拶をしてきました。この催しは、在日の留学生を中心とした、討論の場です。今回は、外国人をどのように日本社会に受け入れるかを議題に開かれました。
「国内派」である私がこのような国際関係の会議で話すのは、と躊躇したのですが。議題が、外国人の日本社会への受け入れなので、それなら私も話すことができるとして、お引き受けしました。

先般も書きましたが、日本は外国人労働者受け入れへ、大きく方針を変えました。法務省に、その担当組織をつくりますが、そこは日本への受け入れ窓口です。日本に入ってからが、課題になるのです。
外国人労働者は、職場にばかりいるのではありません。買い物をして、病院にも行き、ゴミ出しルールも守ってもらわなければなりません。日本社会に受け入れるには、地域社会へ受け入れる必要があります。それは、町内会であり、市町村役場です。すると、総務省の役割が大きくなると思います。
麻生内閣の時に、定住外国人対策室をつくりました。この施策が、今後大きく発展することになります。後輩たちの活躍に期待します。
参考「外国人の受け入れ、地域での共生」「移民の受け入れ

聴衆は留学生が多いので、私の話の概要(項目)をスクリーンに投影できるように、事前に準備しました。主催者は、さらにそれに英語を併記してくれました。
そして、ゆっくりと話しました。私の意図は通じたと思います。もっとも、私の訴えは、彼ら留学生でなく、日本の皆さんに伝えなければならないのですが。